【バンフ＝酒井圭吾】フランスのマクロン大統領は１７日、イスラエルとイランの交戦を巡り、バンフで記者団に「最大の誤りは、軍事的手段でイランの体制転換を試みることだ。混乱を引き起こすだろう」と述べた。 イスラエルによる軍事行動の拡大をけん制した形だ。 イランへの攻撃を強めるイスラエルは米国の軍事介入を求めており、トランプ米大統領の判断に注目が集まっている。マクロン氏は、米国のイラク戦争や、北大西洋条約機構（ＮＡＴＯ）によるリビア空爆を挙げて「（イラクやリビアの）政治的な不安定化を招いた過ちを繰り返すべきではない」と指摘し、外交的解決を支持する姿勢を鮮明にした。 一方、ドイツのメルツ首相は１７日、公共放送ＺＤＦとのインタビューで、イスラエルによるイラン攻撃について「我々のために汚れ仕事をしてくれた」とたたえた。地下深くにあるイランの核施設への攻撃は「イスラエル単独では兵器が足りない。米国はそれを持っている」と語り、米国の介入を支持する考えも示した。 先進７か国首脳会議（Ｇ７サミット）では１６日、イランの核保有を認めないとする共同声明を出して各国が足並みをそろえたが、交戦が激化すれば、欧州内の対応が割れる可能性がある。
もっと
