【スーパーカー超王が斬る】ついにラストイヤー!R35型日産GT-Rこそ日本を象徴するスーパースポーツ

常にGT-Rファンの心を刺激し続けてきた 2007年に誕生し、これまで日本を代表するスーパースポーツとして世界にその名を轟かせてきた『日産GT-R』。 【画像】ついにラストイヤー!最終進化を果たした日産GT-R2025年モデル 全83枚 先行開発のスタートから数えれば、実に25年もの長き時間を生きたGT-R、すなわちR35型GT-Rは、その間モデルイヤーを重ねるたびに、より魅力的な進化型をリリース。常にGT-Rファンの心を刺激し続けてきた。 2007年に誕生したR35型日産GT-Rも、2025年モデルを最後に生産中止となる。 平井大介 2014年モデルでは、ハイパフォーマンスの頂点を極めた『ニスモ』も新設定され、当時のニュルブルクリンク・ノルドシュライフェにおける量産市販車の最速ラップタイムを更新。このニスモもまた、2024年モデルまで標準仕様と同様にエアロダイナミクスや4WD制御を改善するなど、積極的な進化策が施されていた。 だがそれに前後して日産からは、2025年モデルを最後に、R35型GT-Rの生産が中止されることが発表される。そこで今回は、日本のスーパースポーツヒストリーに確かな足跡を残した、R35型GT-Rの最終進化像を味わってみることにした。試乗車は『プレミアム・エディションTスペック』だ。 2022年モデルで初設定されたこのモデルでは、専用となるカーボンセラセラミックブレーキの標準装備や、さらなるボディ軽量化などが進められたほか、2025年モデルではピストンリングやコンロッド、クランクシャフトなどのエンジン構成部品が、さらに高精度の重量バランスを実現したものとなった。 機能美の極みを感じさせる 久々に対面したR35型GT-R、その2025年モデルの第一印象は、やはり2024年モデルと同様に機能美の極みを感じさせるものだった。 2024年モデルで採用された前後のバンパースポイラーやリアウイングは、高速域でのダウンフォースを得るために大きな効果を発揮し、実際にその効果は日本の高速道路上でも十分にそれを体感することができる。 オプションのレイズ製アルミ鍛造ホイールが、フロントで10Jサイズにワイド化されている。 平井大介 外観がよりスパルタンな印象に見えるのは、オプションのレイズ製アルミ鍛造ホイールが、フロントで10Jサイズにワイド化されているため、それに対応してフロントフェンダーも後部にアウトレッドダクトを持つワイドな造形へと変化していることに大きな理由があるのだろうか。 そのホイールの内側に見えるフロントでは6ピストン、リアでは4ピストンとなるブレンボ製ブレーキキャリパーと、各々に組み合わされる410mm径、390mm径のカーボンセラミックディスクもフットワークの力強さを巧みに演出するが、もちろんそれは視覚的な効果のみならず、どのような速度域からでも素晴らしいフィーリングで大きな制動力を生み出してくれるから嬉しい。 巧みに調律されたエキゾーストサウンド スポーツカーの定番ともいえるブラック、そして薄いグリーンを基調色としたキャビンに身を委ね、さっそくフロントに搭載される『VR38DETT』型エンジン、すなわち3.8LのV型6気筒ツインターボエンジンをスタートさせる。 最高出力は570ps、最大トルクは637psというのがスペック表に掲げられるこのエンジンのパフォーマンスだが、アイドリング時にキャビンに届く、そして車外で響くエキゾーストサウンドが、かつてのモデルよりさらに巧みに調律されていることにまず気づかされる。 精密なV6ツインターボエンジンは『巧』によって1基ずつハンドビルドされる。 平井大介 パワーフィールはやはり、高速域では圧巻ともいうべきもの。『巧』によって1基ずつハンドビルドされた精密なエンジンは、レブリミットに向けて一切のストレスを感じさせることなく吹け上がり、アクセルの微妙な動きに対しても、そのレスポンスは常に正確無比なものに徹している。組み合わされる6速DCTの制御も実にスムーズなものだった。 Tスペック専用となるサスペンションの動きも、いわゆるバネ下重量の軽さという恩恵を十分に感じさせる、多くの魅力に満ち溢れていた。 乗り心地はスーパースポーツの中ではラグジュアリーな印象を伝えるものだが、ワインディングではさらにトランスミッションや駆動力配分をさらにスポーティな方向に制御するVDC-Rと同様に、ショックアブソーバー設定をよりハードな『R』にセットすることも可能。すべての項目でRを選択すると、GT-Rはさらにダイレクトでリニアなコーナリングマシンへと、そのキャラクターを変化させる。 デビューから約17年。すでに2025年モデルの受注も中止されたGT-Rは、これからも日本を象徴するスーパースポーツとしてその名を歴史に刻むことは間違いない。その最終進化を自らのドライブで体験できたことは、大いに価値のあることだった。 日産GT-Rプレミアム・エディションTスペックのスペック 全長×全幅×全高:4710×1895×1370mm ホイールベース:2780mm トレッド:F&R1600mm 車両重量:1760kg エンジン:V型6気筒ツインターボ(VR38DETT) ボア×ストローク:95.5×88.4mm 排気量:3799cc 最高出力:419kW(570ps)/6800rpm 最大トルク:637Nm(65.0kg-m)/3300-5800rpm 圧縮比:9.0 燃料タンク:74L トランスミッション:6速AT(デュアルクラッチ) 駆動方式:4WD サスペンション:Fダブルウィッシュボーン Rマルチリンク ブレーキ:F&Rベンチレーテッドディスク タイヤ:F255/40ZR20 R285/35ZR20 価格:2035万円 日産GT-Rプレミアム・エディションTスペックは2035万円と、価格もスーパースポーツ級になった。 平井大介

もっと
Recommendations

ホンダの「2ドアスポーツカー」がスゴイ! ロングノーズ&美麗ボディの“コンパクト”な「後輪駆動モデル」に反響多数! ライトウェイトで楽しそうな「スポーツEV」が話題に

コンパクトなボディにレスポンスのいい電動パワーユニットを搭載している

【第9回】サイトウサトシのタイヤノハナシ〜オールシーズンタイヤ、進化の歴史〜

昔から、あるにはあったけれど……最近、夢の中に唐突にC8H8とかC4H6…

トヨタ斬新「2ドアクーペ」がスゴイ! “6速MTのみ”&めちゃスポーティな「専用アイテム」装備の本気(マジ)仕様! “水平対向エンジン”搭載の硬派な「86 カップカーベーシック」とは?

めちゃ硬派な「GR86 カップカーベーシック」トヨタ「GR86」は、世代…

新車148万円! ダイハツ「4人乗り軽ワゴン」がスゴい! ガバっと開く「画期的スライドドア」×使い勝手サイコーの荷室を搭載! めちゃ広い「タント」の“車内”ってどんなもの?

助手席側のドアに「ミラクルオープンドア」を採用

大型トラック「謎の“部屋”」見たことある? 狭そうだけど…内部はどうなっているの? 実は「ドライバーの超過酷勤務」を支える「命の部屋」だった どんな構造なのか

荷台の上に休憩スペースを設け、ゆったり寝られるようになっているという

ホンダ「“新”ステップワゴン」発表! 全長4.8m“カクカクボディ”がカッコいい「3列シートモデル」に精悍「アウトドアスタイル」も設定!? “SUVイメージ”の「スポーツミックス」仕様とは

親しみやすい「AIR」と精悍なエアロタイプ「SPADA」の2種類を用意した

440万円のトヨタ「ランクル“ミニ”」!? まさかのスズキ製な「“コンパクト”SUV」! 丸目×「旧車デザイン」に“顔面刷新”!? 純国産の「ジムニーランド 70YO.70」とは

「ランドクルーザー70」シリーズのスタイリングを細部まで忠実に再現した

ダイハツの斬新「“4人乗り”軽トラ」に反響殺到!「本当に買いたい!」「オープン軽トラは楽しそう」と高評価! 超レトロな「丸目ライト」採用の“バスケット”に大注目!

最大の特徴はフロントシート上部のルーフとリアシートのキャンバストップ

151万円から! ホンダ「最小・最安級コンパクトカー」に注目! 全長3.8mの“ちょうどいいサイズ”に「5速MT」や「RS」モデルも! 50万台以上売れている「ブリオ」インドネシア仕様とは?

フィットより小さい人気コンパクトカーとは?日本では販売されてい…

【スーパーカー超王が斬る】ついにラストイヤー!R35型日産GT-Rこそ日本を象徴するスーパースポーツ

常にGT-Rファンの心を刺激し続けてきた2007年に誕生し、これまで日本…

loading...