【ワシントン＝中根圭一】トランプ米政権は米原子力規制委員会（ＮＲＣ）のクリストファー・ハンソン委員を解任した。 ハンソン氏が１６日、ＳＮＳで明らかにした。トランプ大統領は５月に署名した大統領令で原子力の発電容量を４倍に引き上げる方針を掲げ、ＮＲＣの改革や規制緩和に取り組む構えだが、安全性への懸念が指摘されている。 ＮＲＣは委員５人からなり、連邦政府から独立した規制機関として原子力業界を監督している。トランプ氏は大統領令で「ＮＲＣは新たな原子炉の認可を怠ってきた」と管理を強化する考えを示していた。 ハンソン氏は民主党バイデン前政権下でＮＲＣ委員長も務めたが、２０２９年までの委員任期の途中で打ち切られた形だ。ＳＮＳで解任は１３日だったことを明かし、「理由は示されていない」と批判した。 原発を推進する米調査研究機関・原子力イノベーション連合のジュディ・グリーンワルド会長も声明で「ＮＲＣの独立性を損なうことは（米国の原発に）悪影響を及ぼす」と懸念を示した。
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