「謝罪会見」翌日に“公認見送り”は国民民主の大失態…ハシゴをはずされた「山尾志桜里氏」が“不倫質問”に耐え続けた2時間半は何だったのか?

 週刊文春は2017年9月14日号で「山尾志桜里 イケメン弁護士と『お泊まり禁断愛』」との特集記事を掲載した。それから約8年の歳月が流れ、山尾志桜里氏は6月10日に都内で記者会見を開いた。国民民主党の比例代表候補者として、夏に行われる参院選に出馬を表明するためだった。(全2回の第1回)  *** 【写真を見る】“美魔女”候補と呼ばれていた頃の山尾氏  予想通りだったとはいえ、やはり会見は荒れた。その様子をデイリー新潮は「記者会見を開くも『やっぱり不倫は否定』 2時間半逃げ続けた山尾志桜里氏に望月衣塑子記者が珍しく優しかったのは『演劇友達だったから』」との記事で詳細に伝えた。  会見で山尾氏は“地球5周分”と言われたガソリン代の不正計上疑惑と、議員パスの不正使用疑惑の2点に関しては──当時の秘書に責任を転嫁する場面もあったとはいうものの──とりあえずは謝罪した。 “出馬会見”に臨んだ山尾氏だったが  一方、世間の関心が極めて高く、国民民主党の支持率が低下している原因ともいわれる不倫疑惑は「ご容赦いただければと思います」、「この場で思いを皆さんに伝えることがどうしてもできません」などと一貫して回答を拒否した。  たまらず一人の記者が「国会議員の資質として非常に大事な話なので、不倫関係にあったのかなかったのか、はっきり答えてください」と質問。すると山尾氏は「8年前の会見で言ったこと、それはそのまま事実でございます」と改めて不倫疑惑を否定した。担当記者が言う。 玉木代表の二転三転 「2時間半も続いた会見は、質問の大半が不倫疑惑についてでした。出馬表明から1ヵ月後に独りぼっちで会見に臨み、代表の玉木雄一郎さんも、幹事長の榛葉賀津也さんも同席しませんでした。さらに山尾さんの不倫相手と伝えられた男性の妻は自殺したと報じられています。そのため記者の質問は『国政選挙に立候補する資格があるのか』、『奥さんを死に追いやったような方が優しい国づくりなんて、おかしい』など厳しい内容が目立ちました。とにかく山尾さんは耐え続けたので、世論は批判的とはいえ、国民民主党としては『山尾さんは禊ぎを済ませた』と判断するとばかり思っていました。ところが予想外の展開が待ち構えていたのです」(同・記者)  会見の翌日となる11日、国民民主党は両院議員総会で、いきなり山尾氏の公認見送り決めてしまったのだ。 「究極の手のひら返しです。山尾さんは12日、2000字を超える『両院議員総会での公認取消決定について』との文書を発表し、国民民主党を批判しました。これは当然の反応ではないでしょうか。党代表の玉木雄一郎さんも認めていますが、昨年から山尾さんに国政復帰を打診していたのは他ならぬ玉木さんなのです。今年に入って参院選出馬の要請があり、山尾さんは悩みに悩み抜いて受諾したと文書で明かしています。ところが4月23日に両院議員総会で山尾さんの擁立を正式決定すると、まもなく玉木さんの二転三転が始まってしまったのです」(同・記者) 「辞退会見であれば同席する」  山尾氏の文書によると、擁立決定の知らせと共に「発表は先送り」、「玉木代表と榛葉賀津也幹事長が同席した記者会見も見送り」と説明されたという。 「山尾さんの出馬が報じられるとSNSを中心にネット上では異論が噴出し、要するに玉木さんは怯んでしまったようなのです。どう考えても玉木さんがおかしいのは、山尾さんを公認すればSNSが炎上するのは誰でも予想できたはずです。炎上を覚悟した上で玉木さんは山尾さんを擁立したとばかり思っていましたが、ネットで批判されると方針を変えるようなレベルだったのです。山尾さんの発表した文書には、《SNS等での批判の沈静化》を理由に何度も公認発表の先送りが続いたことが記されています」(同・担当記者)  不可解なのは5月、玉木氏は赤坂で街頭演説を行い、山尾氏も参加したことだ。これでは山尾氏が選挙に備えて準備を進めるのは当然のことだろう。6月には事務所開きが行われ、ボランティアも参加して7万5000枚のポスティングを行った。 「山尾さんが出馬会見の実施を党に打診すると、6月10日に決まりました。山尾さんが玉木さんと榛葉さんの同席を求めると、何と『辞退会見であれば同席する』という回答だったそうです。山尾さんは文書の中で、公認を急ぐ前にじっくり面談を重ねて対策を練りたかったと残念がっています」(同・記者) 玉木氏は党の発展に意欲 「国政に復帰してください」、「参院選に出馬してください」と依頼しておきながら、SNSで批判されると先送りする──。 「挙げ句の果てには、会見で山尾さんが晒し者になっても、その翌日に公認を取り消してしまいました。まさに山尾さんにとってはハシゴを外されたわけですが、玉木さんを筆頭とする国民民主党は、ある種の“権力”を濫用したと言われても仕方ありません。実際、一連の騒動を『党の山尾さんに対するパワハラ』と受け止めた有権者もいます」(同・記者)  6月12日、国民民主党の玉木雄一郎代表は国会内で記者団の取材に応じた。元衆議院議員の山尾志桜里氏が離党届を出したことを記者が問うと、まず「こちらから能力を買ってお誘いをしたにもかかわらず、公認に至らなかったことについては率直にお詫びを申し上げたい」と山尾氏に謝罪した。  ところが玉木氏は反省を示したかと思いきや、「今回の教訓を生かして、より強固なガバナンスを持った組織へと発展していくきっかけにしていきたい」と党勢拡大に意欲を見せたのだ。山尾氏を踏み台にして参院選で勝つとでも言うのだろうか。  第2回【公認取り消し騒動「山尾志桜里氏」が国民民主党を訴えたらどうなる? 法曹家が忠告する「勝訴の可能性はあるけれど……」】では、国民民主党に振り回された山尾氏が、もし「党に耐えがたい精神的苦痛を受けた」と民事訴訟に踏み切ったとしたらどうなるのか、ベテランの法曹家に取材した結果をお伝えする。 デイリー新潮編集部

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