恒例の“一気試打”は年イチの人気企画だが、今年は夏以降にイチ早く紹介したい“Newアイアン”が多数発売! ということで、鹿又芳典と編集部が試打インプレッションする「アイアン一気試打“秋の陣”」をお届けします。 テーラーメイド P7CB (’24) SPEC ●ヘッド素材/ボディ:軟鉄鍛造(S25C)、内蔵タングステンウエイト、内蔵セラミックコア、フェース:軟鉄鍛造(S25C) ●ロフト角/ 33度(#7)●長さ/ 37インチ(#7)●重さ/ 425g(MODUS³ 105 S・#7) ●シャフト(フレックス)/ N.S.PRO MODUS³ TOUR 105(S)、ダイナミックゴールド MID 115(S200)など ●価格/ 14万8500円~(#6-PW・5 本セット)、2万9700円~(#3、4、5・1 本) 鹿又:期待度MAXの想像を超えてきた PGAツアーの選手が使いはじめたころから「よさそうなアイアン」だなと思って期待がふくらんでいましたが、その期待を超えるくらいよかったです。 とにかく打感がソフト!ボールがフェースに食いつきスピンが効くので、ボールコントロールが容易にできる。フルショットもライン出しもしやすい。テクニックがあるアスリートにとっては、いろんな球筋を安定して打てるアイアンです。 編集M:10点、10点、10点……合計、満点に近い逸品 テーラーメイドって、アイアンはシンプルにいいクラブを作りますよね。 シャープな美顔、ソフトな打感、球の高さなどのマイ評価の全項目で10点満点に近い点がつきました。アスリート系キャビティのなかでは、1、2歩抜け出しているアイアンです。 テーラーメイド P770 (’24) SPEC ●ヘッド素材/ボディ:軟鉄鋳造(8620)、内蔵タングステンウエイト、SPEEDFOAM AIR™、フェース:クロモリ鋼鍛造(4140) ●ロフト角/ 33度(#7)●長さ/ 37インチ(#7)●重さ/ 421g(MODUS³ 105 S・#7) ●シャフト(フレックス)/ N.S.PRO MODUS³ TOUR 105 (S)、ダイナミックゴールド MID 115(S200)など ●価格/ 15万9500円(#6-PW・5 本セット)、3万1900円(#3、4、5・1 本) 鹿又:シャープに見えても寛容性はP790と互角 最近のアイアンのなかではかなり小振りでシャープな印象ですが、決して難しくはありません。モデル名にあるとおりブレード長は77mmですが、寛容性はP790とほとんど変わらない印象。中空構造ですが、軟鉄素材なので打感はソフト。 ロフトはP7CBと同じですが、より打球が高く上がりやすかったので、平均スコア90前後のゴルファーであれば十分に使いこなせます。 ライターN:中空構造とは思えない打感のよさ P7CB同様に、P770もすごく打感がいい。中空構造にありがちな弾きすぎる打音や感覚は一切なく、軟鉄鍛造のマッスルバックを打っているようなフィーリング。 ロフトがしっかりあるので打ち出しが高い。決して難しいアイアンではありませんね。 マスダゴルフ JM-H2 SPEC ●ヘッド素材/軟鉄鍛造(S20C)●ロフト角/ 31度(#7)●長さ/ 37インチ(#7) ●重さ/ 420g(MODUS³ TOUR 105 S・#7) ●シャフト(フレックス)/ N.S.PRO MODUS³ 105・125(S)、N.S.PRO 950GH neo(S) ●価格/ 19万9320円~(#5-PW・6 本セット)、3万3220円~(#4) 鹿又:ジャンボ尾崎が求める“やさしさ” 軟鉄単一素材でありながら、徹底的にやさしさを求めたジャンボ尾崎さん監修のアイアン。ジャンボさんのこだわりが随所にあり、ヘッドサイズはやや大きめで、グースネックになっています。 昔からジャンボさんは“やさしいツアーモデル”が好きでしたが、JM-H2はそれが具現化されています。歴代のマスダのアイアンのなかではもっとも飛距離性能が高くて、飛ぶのも魅力のひとつです。 編集M:ジャンボ、不動、横峯の使用アイアン かつてツアーで勝ちまくっていたプロたち(ジャンボ尾崎、不動裕理、横峯さくら)が使用中。 歴戦の雄が愛用する理由は、キャビティバックやきつめのグースネックによるやさしさの長所がありつつ、操作性も高くボールコントロールがしやすいからでしょうね。 PXG BLACK OPS SPEC ●ヘッド素材/ボディ:431 ステンレス中空+ XCOR2 ポリマー、フェース:HT1770 マレージング鋼 ●ロフト角/ 28度(#7)●長さ/ 37.5インチ(#7)●重さ/ 405g(Ture Temper Elevate MP 95g S・#7) ●シャフト(フレックス)/Ture Temper Elevate MP 95g、Diamana V2 PXG 60・70(R、S)など ●価格/ 2万6400円(#4-LW・1 本) 鹿又:歴代のPXGで最高のアイアン 今まで打ったPXGのアイアンのなかで一番いい!ロフト以上に打球が高く上がりやすいから、ヘッドスピード40m/秒前後のゴルファーが打ってもやさしいし、飛距離性能が高くて、打感がいいので、日本人ゴルファーに好まれるアイアンだと思います。 ヘッドサイズと重心のバランスもよくて、すごく振りやすかった。ダウンブローに打ち込んでも、払い打ちでも上手に打てます。 ライターN:飛び系アイアンといってもいい飛び! オーソドックスな形状で、決してクラブ長も長くないのに飛距離性能はトップクラスで飛び系といってもいいほど。薄いマレージングフェースを採用しているので反発性能が高い。ソール幅が広く、少しダフったときでもソールが滑ってくれて飛距離が落ちません。 いかがでしたか? 自分にあったアイアンをぜひ見つけてくださいね。 試打・解説=鹿又芳典 ●かのまた・よしのり/多くのゴルフメディアで活躍する人気クラブコーディネーター。現役ツアープロのクラブ調整やサポートだけでなく、ジュニアゴルファーの育成にも注力している。 構成=野中真一、編集部 写真=相田克己 協力=ジャパンゴルフスクール