カナダでG7サミットがスタートします。アメリカからはトランプ大統領、日本からは石破首相が出席します。現地には、政治部の平本典昭・官邸キャップがいます。 ——最大の焦点は何でしょうか？ 日本にとっての最大の焦点は、サミットの場を利用しての日米首脳会談になります。およそ4時間後に行われる予定です。 しかし、合意は2つの点から厳しいとみています。 1つ目が「協議の時間」です。今回の会談は、サミット全体協議のセッションと次のセッションとの間の、10分間の予定でセットされています。ある外務省関係者は「10分では何も決まらない」、別の政府関係者は「次に遅刻してでも協議すべきだが、時間との戦いだ」と話しています。 2つ目が、協議が「トランプ決裁」まで進んでないとみられる点です。どういうことか。今の協議の状況を一度整理します。 アメリカが求めているのは、対日貿易赤字の解消です。そのために日本は、閣僚級協議で農産物の輸入拡大案やアメリカの車の輸入拡大案など、「切れるカードは全て出している」（外務省幹部）状況です。 そして、複数の交渉関係者が、「あとはトランプ大統領の決断次第」と話しています。ですが、同時に、ある政権幹部は「まだ全ての情報がトップに上がってないようで、決裁はまだだろう」と、現段階で合意は難しいとの見方を示しています。 ただ、トランプ大統領との交渉、何がおきるかわからない面もあります。 ある首相周辺は「トップ会談で一気に事態が進展する可能性はある」とも話しています。 ——進展は難しそうな見通しの中で、協議のポイントはどこですか？ 日本が求めているのは、何と言っても自動車関税の撤廃です。今回、完全に実現しなくても引き下げる道筋をつけるなど、どこまでステップを進められるかがポイントで、石破首相の交渉力が問われます。 ——首脳会談の方向性はどうなりそうですか？ 10分の会談がまず長くなるかどうか。そして、トランプ大統領自身のトップ決断が行われるかどうか。関係者は固唾をのんで見守っているとみられます。