小林夢果“ネクスト竹田の逸材” 師匠・ジャンボへの誓いを有言実行

 今季の国内女子ゴルフツアーは2試合を残しているが、年間女王は8勝を挙げ、圧巻のシーズンを送った竹田麗央(21)=ヤマエグループHD=が初めて射止めた。米女子ツアーの2年シードを手に入れた竹田を含め、来シーズンは多くのトッププロが同ツアー進出を狙う。勢力が大きく変化するとみられる来季、記者が“ネクスト竹田”として推す小林夢果(21)=ヨコハマタイヤジャパン=とは。  来季の国内女子ツアーの勢力図は間違いなく変わる。年間女王の竹田は10月末からのTOTOジャパンクラシックの優勝特典で米女子ツアーの2年シードを獲得し、出場を明言していた12月の同ツアー最終予選会を回避。新女王が早くも海外進出するからだ。  米女子ツアー本格参戦を目指しているのは竹田だけではない。2年連続年間女王の山下美夢有や、姉妹合わせて今季6勝の岩井明愛・千怜、原英莉花も最終予選会に出場する。シーズンの約半数の勝ち星を挙げたトッププロが主戦場を移す可能性があるだけに、来季の国内組には大きなチャンスが訪れる。  “ネクスト竹田”を狙う逸材は多い。その中で、記者は竹田と同世代の小林夢果を筆頭候補に挙げる。平均飛距離約260ヤードを誇る飛ばし屋で、男子ツアー通算94勝の尾崎将司に師事するジャンボアカデミー1・5期生の大器。ジャンボの長男で、小林のコーチやキャディーを務める智春氏は、そのポテンシャルを「竹田さんにも劣らない」と評する。  レギュラーツアー初のフル参戦だった今季は、3月のアクサ・レディースでいきなり優勝争いを演じて3位。予選落ち11度と浮き沈みは激しいものの、トップ10は8度と爆発力があり、ポイントランキング33位で初のシード権を当確させた。小林は「思っている以上に調子が良かった。うまくまとめられた一年間だった」と手応えを得たシーズンを振り返った。  今季開幕前の1月24日、ジャンボの誕生日に小林は師匠の前で「シードを取れるように精いっぱい頑張ります」と宣言した。見事に有言実行。師匠との誓いを果たし「すごくうれしい。やっぱりジャンボさんという存在は大きい。絶対シードを取らないとという気持ちだった」と笑顔で胸を張る。  同学年で女王に上り詰めた竹田については「いい刺激をもらえる」という存在。ただ、今季は自身との違いを痛感させられた。「ドライバーは一緒くらいだけど、そこからは全く違う」。新女王の飛躍の鍵になったショートゲームの向上は小林も求めているものだ。  昨季はステップアップツアー初優勝、今季は初シードと着実に成長の階段を上る21歳は「同い年のみんなが優勝しちゃった。でも自分のペースで1勝できたら」と焦らない。「(師匠の)誕生日も近いので、また来年の目標を考えないと。初優勝って言おうかな」。来季はさらなる誓いを立てて、有言実行してくれるはずだ。(デイリースポーツ・中谷大志)

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