ジュニアの藤井直樹と関西ジュニアの岡崎彪太郎が、16日に都内で行われた舞台『あの夏、君と出会えて〜幻の甲子園で見た景色〜』の取材会に出席。前島亜美、宮地真緒、永井大、演出の木村弥寿彦と共に公演に向けた意気込みを語った。 【写真】舞台への意気込みを明かす藤井直樹＆岡崎彪太郎 　本作は、コロナ禍で甲子園出場への夢を絶たれた令和の青年が、思いがけず昭和17年にタイムスリップしてしまい、第二次世界大戦の戦局が悪化する中で当時の球児たちと苦境を乗り越えながら甲子園を目指す姿を描く。脚本は、NHK朝の連続テレビ小説『ちむどんどん』や映画『パッチギ！』『トリリオンゲーム』などで知られる羽原大介が書き下ろし、演出は関西テレビで数々のドラマを監督し、『大阪環状線』シリーズで舞台も手がける木村が務める。 　藤井が演じるのは、名門高校の元高校球児で、令和から昭和17年にタイムスリップする大学生・森下令児。藤井は「最初は、僕にきたものなのかなとびっくりしましたが、台本を読んで徐々に実感が湧いてきました」と出演が決まった当時を振り返る。野球は未経験だというが、「元エースという役なので、気合いを入れて野球練習から頑張っていきたいと思います」と笑顔を見せた。 　昭和17年を生きる野球部主将・津田昭夫を演じる岡崎は「出演が決まったときは髪が長かったのですが、（出演と共に）髪を切ることも決まっていたので、それに対しての戸惑いもありました。野球もやったことがなくてどうしたらいいんだろうと。でも、髪を切ってポスター撮影をしたら、意外と雰囲気があるのではないかなと思いました。テニスをやっていたので、そのノウハウが使える場面が出てきたらいいなと思います」とコメント。髪を切ったことで「小中学生に戻ったみたいだねと両親から言われました」と話し、「こういうきっかけがないとしない髪型だったので、楽しんでいます」と語った。 　甲子園球児という役どころのため「役作りのためにこれから肌を焼くのか？」という質問があがると、演出の木村は「これから毎日のように練習になりますので、自然と黒くなるのかなと思います」と回答。これを聞いた藤井は「黒さが勲章になるように頑張ります」と意気込み、岡崎も「僕も日傘をやめます」と宣言し、会場を沸かせた。 　第二次世界大戦の終戦から80年を迎える今年。改めて藤井は「僕が生まれたときはすでに平和な日本で、戦争は昔の話と思うくらい幸せな中で育ってきました。でも、そういう時代があったということは絶対に忘れてはいけないことだと思います。戦争を経験してはいないですが、伝えていく存在になれたらと思っています。別の作品でも舞台で戦争の恐ろしさを伝える場面をやらせていただいたこともありますが、戦争があってこそ平和に過ごせているということを伝えていければいいなと思っています」と力を込めた。 　続いて岡崎も「小学校６年生のときに修学旅行で（広島の）原爆資料館に行き、資料を見て、現実にこんなことがあり得たんだと衝撃を受けました。その翌年に戦争を経験した曾おじいさんが亡くなって、その当時のことを聞けなかったことを今、後悔しています」と自身の経験を思い返し、「この作品はコロナ禍と戦争がリンクして描かれていて感情移入しやすい作品なので、この作品をきっかけに戦争のことを知っていただければと思います」と呼びかけた。 　舞台『あの夏、君と出会えて〜幻の甲子園で見た景色〜』は、以下の日程で上演。 8月23日〜31日　東京・サンシャイン劇場 9月6日〜14日　大阪・大阪松竹座 9月20日　金沢・金沢市文化ホール 9月23日　広島・広島国際会場フェニックスホール 9月26日〜28日　名古屋・御園座 ※岡崎彪太郎の「崎」は「たつさき」が正式表記