普天間移設加速狙う政府、宜野湾市と直接対話の枠組み創設へ…沖縄県は頭越しの動きに不快感

 米軍普天間飛行場を抱える沖縄県宜野湾市の負担軽減に向け、政府は17日にも、市長と官房副長官をトップとした直接対話の枠組みを創設する。  同飛行場の県内移設に反対する県を介さず、国が直接、地元の要望を聞き取ることで、移設作業の加速につなげる狙いがある。  首相官邸で開かれる初会合には、佐喜真淳市長と佐藤文俊官房副長官のほか、関係省庁の幹部らが出席し、住宅街に位置する同飛行場の騒音対策などについて話し合う予定だ。  政府は昨年5月、移設先の沖縄県名護市と同様の直接対話を始めており、工事の本格化に伴う交通渋滞対策などに関する協議を続けている。両市とも、移設計画には明確に反対しておらず、政府として地元に寄り添う姿勢を示すことで、住民らの理解を広げたい考えだ。市側も国とのパイプを築くメリットがある。  一方、移設計画に反対する玉城デニー知事の頭越しで進む動きを巡り、県幹部は「国が県抜きで話を進めるのであれば、大きな懸念だ」と不快感を示す。  県側が開催を求める、知事と官房長官が協議する「普天間飛行場負担軽減推進会議」は、玉城氏が知事に就任した翌年の2019年を最後に開かれていないためだ。政府関係者は「今の知事と対話しても、移設反対キャンペーンに利用されるだけだ」と指摘しており、政府と県の関係修復は見通せていない。  こうした中、政府が宜野湾市との直接対話の枠組みをこの時期に新設するのは、夏の参院選へのアピールの意味もありそうだ。  沖縄選挙区(改選定数1)では、自民党と、知事を支える「オール沖縄」の候補予定者が対決する構図となる見通しで、同じ全県選挙の知事選が来年に迫るだけに、参院選はその前哨戦として注目されている。

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