今月22日投開票の東京都議会議員選挙。都議会で“知事与党”ともいわれる公明党、都民ファーストの会、自民党、3党の関係性や知事との向き合い方はどうなのか。日本テレビのYouTube選挙特番「投票誰にする会議」で3党に直接聞きました。 ■“知事与党”といわれる3党の関係　都知事との向き合い方は 日本テレビ　鈴江奈々アナウンサー 「お三方とも現役の都議でいらっしゃる。知事与党のみなさんということで、日頃から頻繁に顔を合わせてコミュニケーションをとられている？…あれっ？」 「だいぶ関係性が…あれっ？」 都民ファーストの会・森村隆行代表 「各会派の交渉は、会派の幹事長が代表してやりとりをするという文化がありまして。（いまここにいる3人）それぞれ違う立場にありますので、会派ごとでのやりとりというものを、どの会派とも一緒にやっているということです」 「知事与党とか、そういうのを関係なくですね」 ■「小池知事を大変評価」公明 都議会公明党・松葉多美子政調会長 「与党という表現自体が、ちょっと二元代表制ですと（国政とは）違っておりまして。知事に対して議会がどうあるのか、各会派がどうあるのかということでありますので、都議会公明党は知事に対して政策提案を行っていきますし、東京都の議案に対しても賛成、反対を考えていくということですので、そこの過程において、都民ファーストさんや自民党さんと何か打ち合わせをするというようなことはございません」 日本テレビ報道局社会部　小野高弘部長 「都議会では是々非々ということで、都知事の、あるいは都政に対する政策の賛否を決めていらっしゃった？」 都議会公明党・松葉政調会長 「（小池）知事、8年前に知事になられました。知事からの提案について、私どもはどう考えていくのかということを主張し、やってまいりました。8年前に知事が誕生をされたときにですね、都議会公明党といたしましては、都民ファーストということで知事がおっしゃっていましたので、大事なところは庶民ファーストであると、そこが大事だと」 「私どもが小池氏に対してさまざまな政策要望をする中で、知事がそれを受け止めていただいて、東京都の政策にさまざまなものを実現をしてくださっておりますので、そうした意味では、私どもは今の小池知事に対しては大変評価をしている」 鈴江アナウンサー 「都議会自民党としては、公明党のスタンスと同じような形で、是々非々というか、政策提言もしたりというかたちで連携するのでしょうか？」 ■政治資金問題…候補者選定難航の自民 都議会自民党・川松真一朗総務会長 「100%小池都知事をYESというのは、僕らはそういう姿勢を一切示していないので、ところどころでかなりきわどいぶつかり合いはあります。だから、そういう意味では、都民ファーストさんは基本的には小池知事ファーストだから、小池知事には意見を言うことがないと思いますけど、我々はそこは違うので」 「知事与党とひとくくりでいろんなところで言われているんですが、知事との距離感を考えると、私はそう言われるのは違和感があるなと」 鈴江アナウンサー 「都民ファーストの会は、特別顧問に小池都知事がいるというところで、関係性は公明と自民とは違いますか？」 都民ファーストの会・森村代表 「そうですね。都民ファーストの会は、小池知事がそもそも立ち上げて都民と進めた東京大改革と掲げて一緒にやる都民を募ったわけですね。そこで生まれた地域政党になりますので、そもそものスタートの時点から違う立場かなと思います」 ■「議席半減」から回復めざす都ファ 小野部長 「知事与党といういわれ方がよくします。有権者の皆さん、違いがあまり分からないところもあると思うのでお聞きしたいんですが、まず都民ファーストの会。今回は37人の候補者の方が擁立されています。前々回は55人の議席をとっていらっしゃいます。その頃に比べると、少ないという感じもしておりますが、今回の選挙ではどういったところを有権者に特に訴えたいとお考えでしょうか？」 都民ファーストの会・森村代表 「足りていないというか、今現在の議席が都議会で26議席ということで。今、擁立して推薦している議員も入れると38人になるんですが、大体今の議席の1.5倍程度を擁立をしていくということですね」 「確かに最初の55人の時から比べると、今半減しておりますので、これを一気に元に戻すことを狙うというよりは、まず増やしていこうということでの1.5倍を今、擁立ということになっていますので。どちらかというとこれからまた登っていくぞという意識ですかね」 小野部長 「自民党としては候補者選定、今回難航しましたよね。擁立した人の数、前回よりも少なくはなっています。公明党からの推薦もないということになります。一からのスタートということになるかなとは思うんですけれども、今回、有権者にどういったところを見てもらいたいのか、小池都政を一緒になって進めているというところも見てもらいたいのか、どの辺なんでしょうか？」 都議会自民党・川松総務会長 「是々非々でどうやっているかということは見ていただきたいんですが、それ以前に私たちは政治資金問題というのがあって、大変都民の皆さん、あるいは多くの都政を支える皆さん方の信頼を失いました」 「今、一からのスタートとおっしゃいましたが、マイナス100からのスタートです」 「我々、自分自身とどう向き合って、開かれた自民党、変わった自民党を見せられるか、見せられないかで、この都議選の勝敗というのは決まってくるんだろうなというふうに感じています」 ■他党が評価しないプロジェクト　3党の評価は？ 鈴江アナウンサー 「これまでご出演いただいた党から『評価しない』というポイントとしてよく挙がっていたものを是非お伺いしたいんですが」 「観光施策としてプロジェクションマッピング総額48億円だったり、お台場の巨大な噴水の整備費用は多く批判の声が挙がっていたんですが、この点についてどう評価されますか？」 都議会公明党・松葉政調会長 「ここについてはある程度評価をいたしております。やはり経済効果もありますし。プロジェクションマッピングを東京都庁で行っているということで、私は都庁が開かれたと思っています。20年前から私は都議会議員にさせていただいておりますが、東京都庁の広場に都民の皆様方が集まられるということ自体がなかったと思っています」 「それがプロジェクションマッピングをやることによって、多くの都民の方がそこに来られるということもあります。また、例えば能登半島地震などもありました。石川県を応援するような物品なども販売したらどうかというようなことも提案させていただいて、東京都でやっていただいたこともあります」 「噴水の整備につきましては、臨海事業会計の中で行っていくということを私ども申し上げました。いわゆる都民の全体の税金を活用するのではなくて、臨海地域の中で、そこで賃料を払っていらっしゃるとか、賃料であったり、土地の売買のお金であったり、そうした臨海地域事業会計、その中で噴水事業を行うということについて、私どももきちっとお話をして、その方向で東京都は考えておりますので、そこを担保させていただいたというふうに思っています」 鈴江アナウンサー 「共産党や生活者ネットワークからは、使い方としてどうなのかっていう疑問の声があったんですが？」 都議会公明党・松葉政調会長 「地域の発展、東京都の観光施策も含めて全体観に立って考えていけば、そこは有効にこれからしていくべきものであるというふうに思っています」 鈴江アナウンサー 「都議会自民党の小松さんとしては、この2つの批判が多かったところにについては？」 都議会自民党・川松政調会長 「例えば噴水の話ですけれども、別にもろ手を挙げて賛成ではありません。今は基本構想が出てきたので、僕らも中身についてこうすべきじゃないか、ああすべきじゃないかと、いろいろな議論をしてきた結果、今の段階では賛成をしているところです」 「お台場の地区は、実は30年前のお台場ってみんな行きたかった。でも今はお台場にあったようなショッピングの施設だとか、いろいろな観光施設というのは都内中にいろいろ広がってきて、似たようなところがいっぱいあって、お台場だからこそ行くっていうのがなくなってきている中で、何か東京都が主導して大きなものをつくることによって、お台場に来ている民間事業者がさらに土地の価値を上げていく」 「ただ単にお台場が死んだ地域になってしまったら、その土地の価値自体どーんと底なし沼になるぐらいなら、東京都がやれることはやって支えて、さらにバージョンアップすることによって町からの税収も増えるし、あるいはそこに行く人たちの満足度も増えるし、世界の人たちが集まってきて、お台場というところを認めてもらえるようなダイナミックな施策だったらどんどんやるべきだというのが我々の考え方です」 「今、何か入り口論の、印象だけでみんなが議論しているので、ちょっとよくないなと思いますけれどもね」 鈴江アナウンサー 「いろんな意見がありましたが、都民ファーストの会としてはどうでしょうか？」 都民ファーストの会 「ベイエリアの魅力をどうやって高めていくのかということで、地域の方々が観光客を、域外から人を呼んでですね、そこでビジネス、商売を展開するわけですよ。今お台場のあのエリアに目玉となるものが欲しい、未来に向かってこれをつくっていかなければいけないという議論の中で、この噴水というのが出てきたわけですね」 「噴水作って、そうすればすぐに経済効果が生まれるのかというと、単体でそれをやるわけじゃないんですね。総合的に面でですね、その地域の魅力創出をし、また魅力を創出した後にそれを発信し、また何らかの課題があれば修正をし、これを一連の、PDCAを回しながらエリア全体の魅力をつくっていくというのは、東京都だけではなくて、ベイエリア全体の課題になっていくと思っています。しっかり都民の声を聞きながら、いろいろな提言、あるいは修正案なども今後必要に応じて申し上げていこうとは思っています」 （※議論のポイントを再構成しました）