いま日本で謎の死が増えている——。コロナ禍以降、有名人が癌で亡くなるニュースが相次ぎ、癌の死亡者数が急増しているのはなぜなのか。効果が疑わしいワクチンや無意味な医療を、国や医療界が推奨し続ける背景には何があるのか。日本の医療界に潜む巨大な闇に、地域医療で奮闘する在野の医師がメスを入れる正義の一冊!6月5日発売の新刊『何かがおかしい 「がん急増」の謎』より抜粋・再編集して、内容の一部をお届けする。 『何かがおかしい 「がん急増」の謎』連載第3回 『新型コロナワクチン摂取からわずか2ヶ月で末期がんに…コロナ禍後の「がん患者急増」に現役医師が“違和感”』より続く。 進行の速いがん Aさんは、もはや小さい病院では手に負えなかったので、地域の大病院に転院することになりました。 ただ、あまりにもがんが進行していたため、大病院でももはや打つ手がありません。それでAさんはいったん元の小さな病院に戻り、その後はご自宅に戻られました。 Aさんはご自宅で2ヵ月闘病された後、お亡くなりになりました。 病院を出てご自宅に移られて以降は、私が在宅診療を受け持ったので、最終的に私がAさんをお看取りした、ということです。 このAさんのケースには不可解な点が多すぎました。 当時の主治医の所見では「原発は膵臓がんの可能性」となっていました。確かに膵臓がんは発見が難しく、進行が速い厄介ながんです。また、ほとんど自覚症状がないため、がんを発見した時には手遅れになっていることも多く、膵臓がんの発見から亡くなるまでの期間が短い傾向があるからです。 とはいえ、どんなに短いケースでも、がん発見から半年〜1年はかかるもの。通常のがんなら、亡くなるまで数年闘病されるのが普通です。 私は、Aさんのほかにも、こういった進行の速いがんの症例を、いくつか経験しています。 通常、がんが転移しやすいのは、血液が集まる肝臓とか、肺、骨などの部位ですが、最近のがんは転移の速度がものすごく速くて、レントゲン・CTを撮ってみると肺全部ががんになっていたりするのです。 これくらい進行が速いと、手術は難しいことがほとんどです。 「ターボがん」は実在する? 以前からネット上では「コロナワクチンとがんに関係があるのではないか」という疑問が提示されてきました。一時有名になったのが「ターボがん」です。 「ターボがん」は、2022年ごろよりSNS上で広まりました。「ワクチンの副作用で娘がターボがんにかかった」という投稿が拡散した、と言われていますが、要するに「コロナワクチンの接種が、がんの進行を加速させる」と疑う人が出ているのです。 マスコミや医療関係者からは、「ターボがんという病気はない」「根拠のないデマだ」と繰り返し否定され続けてきました。現段階では「ターボがん」が存在するかどうかは不明です。明確に存在すると言い切れるほどのエビデンスはありません。ですが、臨床の現場では、「コロナワクチンの接種後、がんが急速に進行した」としか思えないケースもたくさんあります。 冒頭で紹介した、Aさんのケースもその一つにほかなりません。 それに、コロナワクチンの接種ががんの進行を促すと考えるべき理由もあります。 元京都大学准教授の宮沢孝幸さんは、著書『ウイルス学者の絶望』において、「コロナワクチンの接種により、体内でスパイクタンパク質が生成され、エストロゲン受容体と結びついてがんの進行を促す」可能性を示唆しています。 エストロゲンは一般的には女性ホルモンとして知られている物質ですが、細胞を増殖させる効果もあるため、一部のがんはエストロゲンによって増えるとされています。 果たして「ターボがん」は本当に存在するのでしょうか? 確たるエビデンスがないとしても、あると考えるほうがいろいろとつじつまが合うのも事実です。 『相次ぐ有名人の「がん」罹患…人口動態統計で明らかなった、いま「死亡数が急増しているがん」の名前』へ続く。 【つづきを読む】相次ぐ有名人の「がん」罹患…人口動態統計で明らかなった、いま「死亡数が急増しているがん」の名前