世の中の疑問を深掘りする「ギモン調査班」のコーナーです。 今回のギモンは「どこから"密漁"になるの?」 ルールを守らずに魚や貝などをとることを"密漁"といいますが、一般の市民が知らず知らずに"密漁"をしてしまうケースが相次いでいるといいます。 ◆"密漁"を注意する看板 こちらの看板……海水浴場などで見かけた方もいるかと思いますが"密漁"を注意する看板です。 なぜ海水浴場に掲げられているかといいますと、レジャーの延長で“密漁”をしてしまう人が後を絶たないからです。 "密漁"というと、売りさばくために行うイメージがありますが、知らず知らず「密漁」になるケースがあるということです。 どういった行為が「密漁」にあたるかといいますと…… ◆漁業権を持たない人が捕ると“密漁”に 高級食材である「アワビ」「ナマコ」そして、ウナギの稚魚「シラスウナギ」は「特定水産動植物」として定められていて全国的に捕ることが認められていません。これらをとると3年以下の拘禁刑または3000万円以下の罰金が科せられます。 このほかにも「タコ」「カキ」「サザエ」「ワカメ」「モズク」などは漁業権が設定されている区域では捕ることができません。つまり漁業権を持たない人が捕ると“密漁”になります。 「カキ」や「サザエ」は海岸の近くにも生息していますから海水浴客が見つけてしまうこともあるかもしれません。 見つけたとしても、とってしまうと地域によってはルール違反になるケースがあるのです。 ◆「手法」も定められている また、魚介類をとる「手法」も定められています。 「さお釣り」「手釣り」「たも・あみ」「投げ網」そして、素手でとることは認められています。 一方、「水中銃」や「ナイフ」を使ってとる行為は魚介類の種類にかかわらず認められていません。 認められている魚であってもナイフなどを使うと密漁になってしまうことになります。 実際に検挙されたケースもあります。 ◆検挙されたケースも ことし4月、新潟港の突堤でワカメおよそ14キロを密漁したとして78歳の男が現行犯逮捕されました。 このエリアでは「アサリ」や「サザエ」、「タコ」などとともに「ワカメ」にも漁業権が設定されています。 また、ワカメをとるためにこのような刃渡りおよそ16センチメートルの刃物を使っていました。このような刃物の使用も認められていません。 男は自分で食べるためにワカメをとっていたといいます。 ◆“自分で食べるため”なども「密漁」に そして、こんなケースもありました。クーラーボックスに入っていたのは「カキ」や「サザエ」です。 去年8月、村上市でカキ65個、サザエ 82個、イガイ 93個あわせておよそ29キログラムをとった疑いで50代の男が検挙されました。 海水浴やバーベキューをする際に仲間内でふるまおうとしていたということです。 売るためではなくて自分で食べるため、知り合いに配るためであっても密漁になるというわけです。 ◆県内で増加する「密漁」 こちらは密漁の疑いで検挙された人の数をまとめたグラフです。県内では2021年から年々、増加していることがわかります。 ことしは6月10日までですでに37人が検挙されています。 この大半がレジャー感覚で密漁を行っていたということです。 ◆「ルールを十分に確認して」 新潟海上保安部は次のように呼びかけています。 【新潟海上保安部・警備救難課・浅川浩由課長】 「たとえ少量であっても密漁は許されるものではありません。まもなくマリンレジャーが盛んになる季節となってきますが、無用なトラブルを避けるためにも磯遊び等を行う際は資源管理のルールを十分に確認の上、楽しんでいただけますようお願いいたします」 最近は根拠の不確かなネットの情報を鵜呑みにして密漁をしてしまうケースもあるということです。 県水産課のホームページに詳しい情報が載っていますので、ルールを守ってレジャーシーズンを過ごしたいものです。