大阪・関西万博の海外パビリオン・マルタ館の工事費が未払いになっているとして、関西の下請けの建設会社が１３日、大阪市内で記者会見を開き、元請けの外資系イベント会社を相手取り、約１億２０００万円の支払いを求めて東京地裁に提訴したと明らかにした。 提訴は５日付。 地中海の島国・マルタは、参加国が自前でパビリオンを建設する「タイプＡ」で出展している。 訴状によると、建設会社は昨年１２月、イベント会社からマルタ館の工事を受注。開幕直前の４月１１日頃に竣工（しゅんこう）してイベント会社に引き渡したが、本体工事の一部や追加工事の代金が支払われていないとしている。 建設会社の代表は記者会見で、イベント会社が「クオリティー（質）を満たしていない」などの理由で支払いを拒んでいると説明。「睡眠もまともにとれない過酷な状況の中、工事を間に合わせた。我々の努力はなんだったのかと落胆している」と話した。 イベント会社は取材に「お答えできない」としている。 海外パビリオンを巡っては、ネパール館やアンゴラ館でも工事費未払いのトラブルが起こり、アンゴラ館の下請け４社は５月に「被害者の会」を結成。１３日の記者会見に同席した同会の代表は、万博を運営する日本国際博覧会協会に対し「民間同士の問題と切り捨てず、何とかしてほしい」と求めた。 また、中国館の下請け事業者も同じ記者会見で、工事費の未払いがあると訴えた。
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