党運営で国民民主が迷走…山尾氏擁立見送り・所属議員の不祥事、党内からは玉木代表の責任問う声も

 国民民主党が党運営で迷走している。  夏の参院選比例選への出馬を表明していた元衆院議員の山尾(本名・菅野)志桜里氏の擁立見送りでは、玉木代表の対応が後手に回り、党内ガバナンス(組織統治)不全が浮き彫りとなった。所属議員の不祥事も重なり、執行部の責任を問う声も出ている。(薦田大和)  「公認に至らなかったことは率直におわび申し上げたい」。玉木氏は12日、国会内で記者団の取材にこう述べ、山尾氏の擁立に関する一連の対応を謝罪した。  結党メンバーの山尾氏に参院選への出馬を打診したのは玉木氏だった。4月に党会合で公認する意向を示すと、過去に報じられた山尾氏の既婚男性との交際疑惑などを理由に、党内からは反対意見が相次いだ。  山尾氏の政策能力を高く評価する玉木氏は擁立にこだわり、5月14日に公認の内定を発表した。この間、支持者らがSNSで反発を強めた経緯があり、山尾氏が6月10日に釈明の記者会見を開く事態になったものの、批判は収まらず、結局公認を見送ることにした。  山尾氏は12日に声明を発表し、「統治能力に深刻な疑問を抱いている」と不満をあらわにし、離党届を提出したことを明らかにした。  そもそも、国民民主は玉木氏によるSNSを通じた「手取りを増やす」といった発信を足がかりに党勢を急拡大してきた。玉木氏はネット戦略に自信を見せていたが、山尾氏の擁立を巡る混乱では、SNSでの浸透が裏目に出た形で、報道各社の世論調査では軒並み党支持率が低下している。  党内からは「代表が強引に進めたことが原因だ」(若手)として、玉木氏の処分を求める声も上がる。  東京都議選や参院選を控える中、不安要素は他にもある。不祥事の多さだ。玉木氏は昨年12月、知人女性との不倫問題を受けて3か月間の役職停止処分を受けた。今年4月には平岩征樹衆院議員が、偽名を使って不倫していたとして党員資格停止処分を受け、その後離党する事態もあった。  玉木氏はこの日、浅野哲青年局長を中心にガバナンスコード(統治指針)を策定し、候補者の選定過程や党の意思決定方法の見直しなどを盛り込む方針を示した。ただ、都議選や参院選には間に合いそうもなく、党内では「『玉木頼り』で党を運営してきたつけだ。泥縄式の対応では解決しない」(中堅)として、党運営の抜本改善を求める声が強まっている。

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