サッカーJ1リーグ戦は現在、中断期間です。ここまで20チーム中19位と苦しい戦いが続くアルビレックス新潟。シーズン前半戦で見えた手応えと課題、そして後半戦の反撃のカギを探ります。 ホーム・デンカビッグスワンでの253日ぶりの勝利にサポーターが酔いしれました。5月25日、湘南戦。1点を追う新潟は前半31分、細かくパスをつないでゴール前へ、星が粘って、最後は谷口!同点に追いつくと、後半26分に小見が決勝ゴール。待望のホーム初勝利で長いトンネルに一筋の光が差しました。 樹森監督のもと新たなスタートを切った今シーズンの新潟。従来のパスワークを生かしながら“縦に速い攻撃”を標ぼう。チームに新たな風を吹き込みました。 しかし18試合を終えて3勝7分け8敗。順位は暫定19位と降格圏を抜け出すことができません。シーズン前半の戦いについて樹森監督は…… 〈アルビレックス新潟 樹森大介監督〉 「前半戦は特にやりたいスタイル「変化」は大きく出せたと思うんですけど、そこで勝ちきれない試合が続いてしまって、疑心暗鬼じゃないですけどチーム全体として難しい状態になってしまったのが率直な気持ち」 監督が指摘する課題のひとつは「勝ちきれない」こと。これまでの27失点のうち10点が残り15分以降に奪われています。リードしていても終盤にゴールを奪われ勝利目前で勝ち点を失う試合が続いたのです。 こうした中、攻撃を牽引するのは加入2年目の長谷川元希選手です。ここまでチーム最多の6ゴール。先制点を奪った3月のガンバ大阪戦、後半アディショナルタイムに追いつかれ3対3で引き分けた試合後、悔しさをにじませました。 〈アルビレックス新潟 長谷川元希選手〉 「何回繰り返すんだろうというか。「次、つぎ」となりますけど、もっと向き合った方がいいのではと率直にこの結果を得て思います」 奮起した長谷川選手。4月の神戸戦では相手からボールを奪った味方に反応、切り替えして鮮やかなシュート。この1点を守り切り今シーズン初勝利を挙げました。 〈アルビレックス新潟 長谷川元希選手〉 「自分たちがやっていることは間違いないのと積み上げてきたものをきょう出そうというのと、全員で戦った証拠がきょう“勝ち”につながったと思います」 エースに名乗りをあげる活躍に樹森監督は…… 〈アルビレックス新潟 樹森大介監督〉 「(長谷川選手は)どんなゲームでも非常にアグレッシブに戦ってくれて、いい数字(結果)も残してくれる」 長谷川選手が大切にしていること…サポーターとの距離感です。SNSでは思いを飾らず投稿しサポーターの反応を力に変えているといいます。 自らを、チームを鼓舞する投稿。 「正味こっからでしょ」 このメッセージを受けてサポーターは… 「なんか自信出てきた」 「よっしゃ行こうぜ」 「ここから反撃開始だ!」 チームの中での連携を意識しながらもエースとしての自覚と勝利への決意を表現します。 〈アルビレックス新潟 長谷川元希選手〉 「後半戦は自分で1人で打開できるようなところをもっと意識していきたいと思うので、2人3人抜いてシュートだったり、1人で完結できるプレーをゴールに直結するようなものを増やしていきたい」 Q)後半戦の意気込みを長谷川選手節で 「難しいですね。何がいいんだろう。正味こっからでしょ。お願いします。それで。それが一番いいと思います」 〈アルビレックス新潟 樹森大介監督〉 「ボールを動かしながら一発で(背後を)狙ってるよというところであったり、プレスからのショートカウンターとか。ある程度相手を見ながら、狙いを持ってやれればいいと、いま思っています」 得点を奪いいかに試合を勝ち切るか…逆襲の夏、J1残留をかけた熾烈な戦いが続きます。