北海道警は５日、警察官の異動先を本人が希望するエリア内に限定する「生活拠点人事制度」の運用を開始した。 広大な面積を有し、人事異動に伴う転居や単身赴任が大きな負担となる北海道特有の事情を踏まえ、警察官のワーク・ライフ・バランスを充実させるのが狙い。警察組織として全国初の試みで、若手や子育て世代の離職対策の意味もあるという。 同制度の適用希望者は、定住を予定する自治体を道警に申告。適用が認められれば２年以内に申告地や近隣自治体の警察署などに異動し、その後は近傍の職場が転勤先となる。給与などの待遇面も変わらない。 ただ、人口が集中する札幌市と近隣の８自治体は申告地にできず、適用を受けられる階級も警部補以下に限定される。適用対象となる警察官は約９０００人で、現時点で４６０人ほどの利用が見込まれている。 道内全域をカバーする道警では、数百キロ離れた職場への異動を命じられることが珍しくなく、その負担の大きさを理由に離職する警察官もいるという。道警の担当者は「介護や子育てといった職員のニーズに広く対応できる組織づくりを進めたい」としている。
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