VW資本で半世紀を経て復活 伝統x革新のスカウト(1) きっかけはラングラー人気

知る人ぞ知るスカウトがEVで復活間近 知る人ぞ知るアメリカのスカウトが、電気自動車で復活を遂げる。フォルクスワーゲン・グループのバックアップを受けて。ただし、巨大市場の受けを狙った、単なるリバイバル・ブランドだとは捉えないでいただきたい。 【画像】半世紀を経てVW資本で復活 伝統x革新のスカウト 北米で増える電動ピックアップたち 全150枚 レトロフューチャーな見た目のSUVへ、関心を示さない人は少ないだろう。同社の態勢は、世界最大級の自動車メーカーへ大きな影響を与える可能性をはらんでいる。高性能な電動SUVを革新的に開発するための、スタートアップ企業だといえる。 スカウト・テラ(プロトタイプ) スカウト・モーターズのCEOは、フォルクスワーゲン・グループの北米部門を取り仕切る、スコット・キーオ氏が兼務している。だが拠点はアメリカに置き、それ以外のスタッフや施設は完全に独立している。 「速さと革新性、創造性、適応力を備えたアメリカらしい新興ブランドと、世界有数の規模を持つメーカーのスケールメリットや予算規模を、融合させることが狙いです。前例はないと思います」。スカウトの戦略責任者、ライアン・デッカー氏が説明する。 ラングラーやブロンコの人気がきっかけ ここで、スカウトというブランドについて確認しておこう。その起源は、農業用機械や建設用機械を手掛けた、インターナショナル・ハーベスター社が立ち上げたインターナショナル・スカウト社だ。 1950年代に入り、CJ型ジープが人気を高めると、その波へ乗るべく独自の四輪駆動モデルを開発。初代となるスカウト 80は、1961年に発売された。単一モデルの展開で、スカウト 800やスカウト IIへ進化を続け、1980年まで提供されている。 オレンジのスカウト・トラベラーと、ブルー・グリーンのスカウト・テラ(プロトタイプ) 1980年代に経営不振へ陥り、トラックとエンジン部門はナビスターへ社名変更。2021年にフォルクスワーゲン・グループのトレイトン社へ買収され、スカウト・ブランドも手中に収まった。 近年になり、同グループはジープ・ラングラーとフォード・ブロンコという、レトロな見た目のSUVが人気を得ていることへ注目。アメリカ以外では耳馴染みの少ない、スカウトというブランド名を掲げた新規事業を2022年に立ち上げ、現在に至る。 ヘリテージとレガシーを持つカッコいいブランド 「スタートアップでありながら、熱烈なファン層があり、懐かしい記憶を呼び起こすということは、珍しいですよね。ヘリテージとレガシーのある、カッコいいブランドです」。デッカーが続ける。 オリジナルの最後を飾ったスカウト IIの生産終了から45年だが、アメリカでは少なくない人の思い出に含まれている。「今日も、とある男性が近づいてきて、祖父がスカウトに乗っていたと教えてくれました。ブランドの再構築へ関われるなんて、特別ですよ」 スカウトの戦略責任者、ライアン・デッカー氏 果たして、新生スカウトは2024年に2台のコンセプトカーを発表した。ピックアップトラックのテラと、ワゴンボディをまとうSUVのトラベラーだ。どちらも見た目はいかにもアメリカンで、北米価格は5万ドル(約725万円)ほどが予定されている。 スペックはまだ非公表だが、最大トルクは138.0kg-mあり、航続距離は563kmになる予定らしい。発電用エンジンのレンジエクステンダーを積むと804kmへ増え、0-100km/h加速を3.5秒でこなすとか。 ラダーフレームを新規開発 伝統と革新を融合 プラットフォームは、フォルクスワーゲン・グループのものとは完全な別物。ラングラーへ匹敵する悪路性能を得るべく、ラダーフレームがゼロから開発されている。 「グループ内には、ボディ別体のフレーム構造は存在しませんでした。目標は、オフローダーのセグメントでベンチマークになることです」。同グループでキャリアを積み、スカウトの技術責任者に就任したブルクハルト・フンケ氏が認める。 スカウト・テラ(プロトタイプ) 「かつてのスカウトは、まさに働き馬と呼べました。新しいスカウトでは、悪路性能に対し技術的な側面で目標を設けています。アプローチアングルやトルク、重量配分など、あらゆる部分へ焦点を向けて。アクスルも特別な設計です」 「タイヤは35インチで、スタビライザーは切り離せます。伝統的なオフローダーと、革新的なバッテリーEVが融合する、新のスイートスポットを生み出します」。そして、性能をソフトウエアが左右する、ソフト・ディファインド・ビークルでもある。 この続きは、伝統x革新のスカウト(2)にて。

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