グループの実験台じゃない 伝統x革新のスカウト(2) VWとアウディから新モデルも?

VWグループの実験台ではない 顧客中心主義 復活を果たそうとしているスカウト。「わたし達は、フォルクスワーゲン・グループの実験台ではありません。革新的な技術に、最大のチャンスがあると考えています」。同社の技術責任者、ブルクハルト・フンケ氏が説明する。 【画像】半世紀を経てVW資本で復活 伝統x革新のスカウト 北米で増える電動ピックアップたち 全150枚 発電用エンジンのレンジエクステンダーを採用することも、強みだと話す。充電インフラが未整備の地域でも、充分な悪路性能を提供できる。瞬発的パワーやトルクベクタリング、均等な重量配分も、新たな可能性をもたらすだろう。 スカウト・トラベラー(プロトタイプ) 「顧客中心主義として、お客様の意見へ耳を傾けています。コンセプトとプラットフォームには、好評をいただきました。フィードバックを受けて、レンジエクステンダー版も開発を進めています。充電ステーションと、一緒に移動するようなものです」 先進のソフト・ディファインド・ビークル(SDV)として、ソフトウエア開発もスカウトの性能を左右する鍵となる。フンケがソフトウエアやエレクトロニクス分野でキャリアをスタートさせたことが、強みに働くに違いない。 ソフト基盤にはリビアン社も レーザーのように集中 フォルクスワーゲン・グループは、SDVをひと足先に実践する、アメリカのリビアン社とも提携している。この2社による合弁事業の目的は、新たなソフト・アーキテクチャの開発で、スカウトが最初に採用するブランドの1つになる予定だという。 「最新アーキテクチャとして、クラウド・コネクティビティへ完全に対応し、自己診断や新機能の利用が可能になるでしょう」。ただし、2024年に発表されたコンセプトカーの量産版が登場するのは、早くても2027年になる見込み。 スカウト・トラベラー(プロトタイプ) それまでに、アメリカ・ジョージア州に建設中の工場を稼働させる必要がある。新規雇用は4000名規模で、生産能力は年間20万台になる。20億ドル(2900億円)もの投資額は、フォルクスワーゲン・グループがバックアップするからこそだろう。 「スタートアップですから、開発へ集中できます。2つのモデルへ、レーザービームのように。車両シミュレーションにもデジタル技術を活用し、開発の高速化が可能です。お客様へお届けする前に、時間をかけて製品を仕上げることも」 フォルクスワーゲンとアウディから新モデルも? 既にアメリカでは予約が始まっており、その大半はワゴンボディをまとうSUVのトラベラーだという。ピックアップトラックのテラより、人気は高いらしい。この2車種で、北米の該当市場における売上高と純利益の、40%を占めることが目標とのこと。 「ただでお金は入りません。スケールとコストで、ベンチマークになるような研究開発組織を目指しています。スポンサー(フォルクスワーゲン・グループ)にも評価されている挑戦です。もちろん、しっかり監視されていますよ」。とフンケが笑う。 スカウト・トラベラー(プロトタイプ) フォルクスワーゲンとアウディは、自社ブランドのモデルとして、スカウトのプラットフォームへ関心を示しているという情報がある。新設工場は、ブランドが軌道に乗るまでの間、他ブランドの生産に利用される可能性も示唆されている。 「既存企業のスケールと、新興企業のエネルギーが融合すれば、どれほどのスーパーパワーになるか想像してみてください」。デッカーが描く未来は、成功へ続いている。 番外編:インターナショナル・スカウトの歴史 インターナショナル・ハーベスター社によるスカウト計画は、1958年にスタート。1960年11月には、小さなピックアップトラック、スカウト 80が発売されている。94psの4気筒エンジンを積み、3シーターで、後輪駆動と四輪駆動が用意された。 ボディは、キャブトップとトラベルトップという2種類から選べたが、ステーションワゴンとして実用性の向上へ目が向けられ、1963年にリアシートを獲得。販売は堅調で、1964年までに10万台が生産された。 オリジナルのスカウトたち 1966年には、V8エンジンも設定された改良版のスカウト 800が登場。フォード・ブロンコなど、ライバルにも大きな影響を与える存在だった。 1971年に、乗り心地が改善され、スタイリングも新しくなったスカウト IIが登場。快適性を高めるオプションが多数用意され、SS(スーパー・スタウト)II という派生版も登場している。ところが親会社が経営難に陥り、1980年にブランドの幕は閉じられた。

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