市川染五郎が主演し、當真あみが共演する舞台『ハムレット』が、2026年5月に東京・日生劇場、6月に大阪・SkyシアターMBSにて上演されることが決定した。 【写真】舞台『ハムレット』速報ビジュアル シェイクスピアの4大悲劇の1つ『ハムレット』は、人間の苦悩を深く描いた傑作として長きにわたり愛されてきた。葛藤、狂気、そして裏切りが複雑に絡み合い、観る者の心に深く突き刺さる普遍的なテーマが凝縮されたこの作品に、2026年、新たな息吹が吹き込まれる。 父王の死と母の再婚に悩み苦しむ若き王子ハムレットを演じるのは、今年4月歌舞伎座公演『木挽町のあだ討ち』にて主演を勤め、大河ドラマ『鎌倉殿の13人』や『鬼平犯科帳』新シリーズといった映像作品への出演など、多方面へ活躍の場を広げる新時代の歌舞伎俳優・市川染五郎。祖父・松本白鸚、父・松本幸四郎も演じてきたハムレット役で、ストレートプレイ初出演、初主演に挑む。 市川は「歌舞伎もそうですが、シェイクスピア劇は現代人の価値観や感覚では理解しづらい部分も多いと感じます。それをいかにして現代の方々の心に届けるか。生きた演劇、生きた『ハムレット』を目指して取り組みたいと思います」と意気込みを語った。 ハムレットの恋人・オフィーリア役には、その透明感とまっすぐな眼差しでCMやドラマの出演などが度々話題を呼び、役柄によって様々な表情を見せる表現力に定評がある當真あみ。2025年7月から放送の新ドラマ『ちはやふる−めぐり−』で連続テレビドラマ初主演、映画『ストロベリームーン』で長編映画初主演も控え、さらなる活躍が期待されるなか、本作で舞台初出演を果たす。 當真は「舞台でのお芝居が初めてなので、お話を聞いた時は少し不安を感じていましたが、これまでも何度か舞台を観劇して、こういうお芝居を出来たらなと挑戦してみたい気持ちがあったので、不安と感じる以上にこの作品に参加させていただけることへの嬉しさがあります」と心境を明かした。 さらに、ブロードウェイ、ロンドン、日本ほか各地で数々の話題作を手がけ、トニー賞に5度ノミネートされるなど、世界的に活躍する演出家、デヴィッド・ルヴォーが演出を務める。リアルを追求し、過去と現在、生と死といった相対する要素のバランスを繊細に表現するルヴォーの演出と、若き2つの才能とが紡ぐ、新たな『ハムレット』に期待が高まる。 舞台『ハムレット』は、東京・日生劇場にて2026年5月、大阪・SkyシアターMBSにて同年6月上演。ほか愛知公演予定。 ※デヴィッド・ルヴォー、市川染五郎、當真あみのコメント全文は以下の通り。 <コメント全文> ■演出:デヴィッド・ルヴォー 『ハムレット』は何よりもまず、若者の悲劇です。そして、政治のシニカルな「現実」に支配された世界における、若者の命そして想像力の浪費の物語です。 シェイクスピアは繰り返しこのテーマに取り組みました——『ロミオとジュリエット』もその一例です。 この戯曲を今日上演するにあたり、初めて本格的にシェイクスピアに取り組む、類まれな才能の持ち主である染五郎さんとご一緒できることは、非常に光栄なことです。そして、透明感のあるあみさんも加わることで、若者の抵抗や反逆、そして彼らが私たちの未来にもたらす大いなる希望を探求する瞬間が訪れたと感じています。そしてこれは、シェイクスピアと、私たちが生きる現代社会との関係を改めて築く機会でもあります。 若者の喜び、愛、そして社会に対する視線は、これまでも、そしてこれからも、シニシズムという津波に対する揺るがぬ存在であり続けるのです。 ■ハムレット役:市川染五郎 生きている『ハムレット』。 歌舞伎もそうですが、シェイクスピア劇は現代人の価値観や感覚では理解しづらい部分も多いと感じます。それをいかにして現代の方々の心に届けるか。 生きた演劇、生きた『ハムレット』を目指して取り組みたいと思います。 ■オフィーリア役:當真あみ この度、舞台『ハムレット』に参加させていただくことになりました。 舞台でのお芝居が初めてなので、お話を聞いた時は少し不安を感じていましたが、これまでも何度か舞台を観劇して、こういうお芝居を出来たらなと挑戦してみたい気持ちがあったので、不安と感じる以上にこの作品に参加させていただけることへの嬉しさがあります。 演出家のデヴィッド・ルヴォーさんにもお会いさせていただき、優しく朗らかな方で、楽しみだけど少し不安でもあると話した際に、そう思うことは誰にでもあるから気にしないでと仰って下さいました。そんな素敵な方の演出のもとお芝居が出来ることがとても楽しみです。 主演の市川染五郎さんを始め、素敵な役者の皆様の中で沢山学び、考え、一つ一つのお芝居と誠実に向き合いながら頑張っていきたいと思います。