厚生労働省は４日、２０２４年の日本人の人口動態統計（概数）を発表した。 　昨年１年間に生まれた子どもの数（出生数）は２３年比４万１２２７人減の６８万６０６１人で、１８９９年の統計開始以降、初めて７０万人を割り込んだ。１人の女性が生涯に生む子どもの数を示す「合計特殊出生率」も９年連続で低下し、過去最低の１・１５だった。少子化が加速している現状が浮き彫りとなった。 　出生数は９年連続で過去最少を更新した。死亡数は前年に比べて２万９２８２人増え、過去最多の１６０万５２９８人だった。このうち、７５歳以上の死亡数が８割を占めた。 　死亡数から出生数を引いた人口の「自然減」は１８年連続で、昨年は９１万９２３７人と前年よりも減少幅が７万５０９人拡大し、過去最大の減少幅となった。香川県人口（約９１万人）にほぼ匹敵する規模の減少となった。 　合計特殊出生率は前年を０・０５ポイント下回った。都道府県別でみると、前年と同じだった福井県を除く４６都道府県で前年よりも低下した。人口の一極集中が進む東京都では０・９６で、前年の０・９９から落ち込み、２年連続で「１」を割り込んだ。 　このほか、宮城県（１・００）、北海道（１・０１）も低かった。最も高かったのは沖縄県（１・５４）で、福井県（１・４６）、鳥取県と島根県（１・４３）が続いた。東日本よりも西日本が比較的高い傾向がみられた。 　婚姻数は、４８万５０６３組と、前年より１万３２２組増加したが、２年連続で５０万組を下回った。平均初婚年齢は夫３１・１歳（前年３１・１歳）、妻２９・８歳（同２９・７歳）だった。第１子出生時の母親の平均年齢は前年と同じ３１・０歳で、結婚や初産が遅い「晩婚化」「晩産化」の傾向が続いている。離婚件数は、１８万５８９５組で前年より２０８１組増加した。