９日に開幕する全日本大学野球選手権（全日本大学野球連盟、読売新聞社主催）に、双子の兄弟がそれぞれの大学の主将として出場する。 　２人は「全国で兄弟対決を」と誓い合っている。（松本慎平） 兄・賢人は佛教大、弟・悠人は奈良学園大で出場 　佛教大（京滋大学）の本間賢人と、弟で奈良学園大（近畿学生）の悠人は、ともに小学２年時に野球を始めた。奈良大付高では賢人が捕手、悠人は三塁手として３年夏の奈良大会で４強入り。大学では初めて別々のチームとなった。 　賢人は佛教大に入学後、打力や足の速さを買われて内野手に転向した。当初はあまり試合には出られず、「弟に（助言を）聞くのは悔しい部分もあるが、絶対にうまくなった方がいい」と、バウンドの合わせ方など守備のコツを聞いた。 　昨年は全日本選手権の直前でメンバーから外れ、ショックで野球をやめようと考えた。だが親から伝え聞いた悠人に「今やめたら後悔するだけや」と説得され、思いとどまった。今季は初めてリーグのベストナインに選ばれ、チームを２大会連続の全日本に導いた。 　悠人は昨春のリーグ戦終了後、奈良学園大の酒井真二監督から「自分よりもチームを優先できる」と、野球人生で初めて主将を任された。高校まではいつも兄が主将だった。間近で見ていたリーダーシップを見本に、全力疾走や練習時に率先して動くなどしてチームを引っ張った。 　優勝が近づいた今季終盤、打撃不振だった悠人は「全然打たれへん」と賢人にＬＩＮＥで相談した。「チームのために自分がやるべきことをやれ」と激励を受け、「気持ちが楽になった」。優勝がかかった試合で同点犠飛を放ち、チームは７年ぶりの全日本出場を決めた。 　大会で両チームは、勝ち上がれば準々決勝で対戦する。互いに「やるからには負けられない」と、対戦を心待ちにしている。