「ミスタージャイアンツ」として、多くの野球ファンを楽しませた長嶋茂雄さんが３日、東京都内の病院で亡くなった。 その存在は、球場以外でも人々の心を引きつけてやまなかった。親しみがあり、ユーモアあふれ、ファンも大切にする——。そんな長嶋さんとの思い出を都内で交流のあった人々が振り返った。 もらった言葉今も…林家三平さん 大の巨人ファンでも知られる落語家の林家三平さん（５４）は、東京ドームで２０１５年に長嶋さんと撮ったツーショット写真を今でも自宅リビングに飾っている。 この写真を撮った日、長嶋さんは自身の背番号「３」と三平さんの「三」をかけ、「“ｓｕｎ”だから、太陽のように輝く存在にならなくちゃいけないよ」と言ってくれた。三平さんは、この言葉を人生の励みとしているという。 長嶋さんとの交流は、父の初代林家三平の頃から続いた。真打ち昇進の１９５８年に長嶋さんもプロデビューした縁で、２人は一緒に酒を飲む間柄だったという。 約１０年前に巨人軍のコラムを書くために東京ドームを出入りしていると、長嶋さんともよく会った。ベンチ裏の通路で「今日も頑張っているね」と声をかけられ、「君のお父さんはスターだよ。明るい人だった」とも言ってくれた。長嶋さんこそがスターなのに、腰が低く人を気遣う言葉に感動し、「ありがとうございます」としか返せなかったという。 訃報（ふほう）に接し、「長嶋さんの言葉一つ一つが鮮明に思い出され、亡くなったことが信じられない」と語り、「選手は長嶋さんを胴上げするつもりで優勝を目指してほしい」とエールを送った。
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