【ホットハッチの終焉】フォード・フォーカスST 生産終了を前にカタログ落ち

さらば、フォーカスST フォード・フォーカスSTが英国市場において販売終了となった。4月時点ではまだ注文を受け付けていたが、5月26日にディーラー向け価格リストが更新されるのと同時に、リストから削除された。なお、フォードのオンライン・コンフィギュレーター上には現在も掲載されている。生産は11月に終了予定だ。 【画像】さらばフォード・フォーカスST 詳細をみる 全16枚 これにより、現在英国で新車として購入可能なフォーカスは、ターボ+マイルドハイブリッド仕様の1.0L直列3気筒『エコブースト』エンジン搭載車のみとなった。最高出力は124psまたは155psの2種類で、グレード構成は『アクティブXエディション』、『STライン』、『STラインXエディション』のみとなっている。これらのモデルについても、今後数か月のうちに生産終了となる見込みである。 フォード・フォーカスST フォーカスの全生産を担っていたドイツのザールルイ工場について、フォードはすでに売却先を模索しているが、いまだ買い手は現れていない。売却が実現しなかった場合でも、フォードは同工場を2032年まで存続させ、従業員1000名(現在の4600名から大幅削減)体制での運営を計画している。 フォードUKの広報担当者は取材に対し、以下のように語っている。「現在、フォーカスSTの新規受注は終了しておりますが、すでに生産済みで未販売の車両が約170の国内ディーラー網に残っております。この中には、アズーラ・ブルーの特別仕様車『STエディション』も30台含まれています」 今後の受注再開については、明確な回答は得られていないものの、需要が急増した場合や、最終記念モデルのような特別仕様が設定される場合など、状況の変化次第ではオーダーブックが一時的に再開される可能性も残されているようだ。 フォーカスSTの廃止は、ホットハッチ市場全体が縮小傾向にある現状を如実に物語っている。近年、ホットハッチは相次いで姿を消しているが、その要因としては、利益率の高いSUVへのシフトや、CO2排出規制の強化により電動化が加速したことなどが挙げられる。 ヒョンデは2023年にi30 Nおよびi20 Nを欧州市場から撤退させており、プジョー308 GTiも1世代限りで終売となった。トヨタGRカローラも英国には導入されていない。 現存するホットハッチの多くは高価格化が進んでおり、たとえばフォルクスワーゲン・ゴルフGTIは英国価格がすでに4万ポンド(約780万円)を超えている。また、ホンダ・シビック・タイプRやトヨタGRヤリスのように、販売台数が厳しく制限されているケースも多い。 実際、フォーカスSTの兄弟モデルであるプーマSTもラインナップが縮小しており、最高出力200psの1.5LエンジンとMTの組み合わせは廃止に。現在は、160psを発揮する1.0Lマイルドハイブリッド+ATの仕様のみが『ST』バッジを掲げて販売されている。近年のSTシリーズで唯一生き残ったモデルである。 とはいえ、フォードのパフォーマンスカーが完全に終焉を迎えるわけではない。フォードのデザイン・ディレクターであるアムコ・レーナーツ氏は昨年AUTOCARに対し、「ブランドのパフォーマンスカーには “間違いなく” 未来がある」と語っている。F1やダカールラリー、WRCといったモータースポーツでの人気を背景に、「パフォーマンスカーを生み出さなければ、我々は間違った投資をしていることになる」とし、今後はグローバルに展開される一般的な車種においても、走りのDNAを継承していく方針であると強調した。

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