南国特有のスイングとは?沖縄出身のプロが打ち方を解説!

今季の国内ツアーが、女子ツアーから開幕。第1戦目は沖縄を舞台に開催された。 「沖縄といえば地元出身者のスイングは独特で、そのスイングの特徴を取り入れることでうまくなるヒントがつかめます」という高橋有希子コーチが、南国スイングを解説! 【関連記事】菅沼菜々、“初の写真集”が紙で発売決定!予約が殺到中 「ロースピンドロー」 アドレス~バックスイング シンプルかつオーソドックスなアドレスから、腕・体・クラブの一体感が崩れない美しいバックスイングへ。頭の位置は少しずつ右へ移動し、その間に右の股関節に重心がしっかりと乗っていきます。トップポジションにたどりつくまで右足がまったく動かず、この粘りが軸のブレを抑制。 エネルギーを最大限まで貯めることができます。 トップ~切り返し Point:右肩が見えるほど深い回転 ややフラットなトップの位置。正面のアングルから右肩が覗いているということは、肩の回転がとても深いことを意味します。トップポジションのひとつ前のコマを見ると、じつは右足がすでにターゲット方向へ移動しはじめている。 つまり、実際に目に見えてダウンスイングをしていく少し前から、体重移動は開始されているのです。 ダウンスイング~インパクト Point:インパクト前から低空飛行するクラブヘッド 下半身が先行しすぎず、回転の力が上体に余すことなく伝達されています。左足をしっかり踏み込むことによって上体も突っ込まず、体の近くに手元をもってきている。インパクト直前、ボールまであと40センチくらいのところで、クラブヘッドはすでにボールとほぼ同じ高さまで降下しています。 このあとわずかに上昇しながらインパクトを迎えることで、非常にゆるやかな入射角になっている。それによって高打ち出し・低スピンなショットを可能にしています。 フォロースルー Point:柔軟性が高く最後まで振り切れるから曲がらない 強風のなかでプレーをすると、無意識のうちにリズムが崩れたり、テンポが早くなってしまいがち。しかし、新垣プロは余計な力を入れずに、スムーズな体重移動でスイング。これは、沖縄ならではの強い風のなかで育った影響だと思います。 力まかせで振っていると、どうしてもフォローが小さくなってしまいますが、高く、大きい新垣プロのフォローは、いいリズムでクラブを遠心力に乗せられている証拠です。 後方からもチェック! Point:骨盤よりも肩のほうが開いているので文字どおり「クラブが体を追い越す」状態である。クラブヘッドも回転してしまうとヒッカケになることも多いが、新垣の場合、フェースの開閉量は少なめ。球をできるだけねじらない“風に強いボール”が打てる 安定感・飛距離を兼ね備えた「どっしり高弾道スイング」 アドレス~テークバック Point:体重移動からバックスイングがはじまるのでシャフトがしなる ボールはややスタンスの中央寄りにセット、最初から右足に体重が乗った状態でスイングをスタートさせます。テークバックではクラブヘッドを置いていくようなイメージで右足への体重移動を開始。そのためクラブヘッドには慣性がかかり、シャフトがターゲット方向に向かってわずかにしなっているのがわかります。 バックスイング シャフトが地面と平行になるころには体重移動が完了。ここからややタテ方向に高くクラブが上がっていく様子は、まるで沖縄出身のレジェンドである宮里藍プロのよう。クラブが自分から大きく遠ざかることによって切り返しで強いタメが作られます。 アドレス時と比べると頭の向きもバックスイング方向に回転。これによって首にねじれの抵抗がかからないので、肩を深く回していくことができます。 バックスイングシャフトが地面と平行になるころには体重移動が完了。 ここからややタテ方向に高くクラブが上がっていく様子は、まるで沖縄出身のレジェンドである宮里藍プロのよう。 クラブが自分から大きく遠ざかることによって切り返しで強いタメが作られます。 アドレス時と比べると頭の向きもバックスイング方向に回転。 これによって首にねじれの抵抗がかからないので、肩を深く回していくことができます。 トップ~切り返し Point:左ヒザがターゲット方向を向き股関節が強く外旋 トップポジションでは、頭の左側から右肩が少し見えているので回転が相当に深いことがわかります。アドレスからトップポジションまで、いっさい右足の傾きが変わっておらず、切り返しに向けて大きく出力する準備ができている。切り返し以降は、右足の蹴りが強すぎると体が早く開いたり、伸び上がったりする原因になってしまいますが、強く脚力を使っても骨盤が先行しすぎたり、右足が早い段階でめくれるということはなく、インパクトの安定感につながっています。 ダウンスイング~インパクト Point:体軸が傾き高い打ち出し角度を作り出す インパクト直前では体軸が少し右へ傾き、高めの弾道を狙っているのがわかります。右ヒジが曲がっており、フェースはまだ開いている状態。比較的タメが強いタイプなので、インパクト時にもまだクラブのリリースは完了しません。 結果的にロフトが少ない状態でボールに当たるため、ティーアップを高くし、体軸を傾けてフォローまで振り抜いている。風の強い沖縄において、スピン量を減らしながらも遠くへ飛ばすワザを身につけたのでしょう。 インパクト前とフォローを比較! Point:2枚の写真を比べると、フォローでは少し足が伸びているくらいで体幹部分はほぼ動いていない。それでいてクラプの場所は180度移動している。つまり、軸を保ったまま体の大きな筋肉は仕事を終えていて、あとは腕がリリースに向かうだけというのがよくわかる 下半身の安定感が生む「ブレないインパクト」 アドレス~バックスイング ややワイドなアドレス。スイング中、沖縄の強風にあおられないどっしりした構えです。左腕を伸ばし切っているのに対して右腕には少しゆとりを作り、右肩が前に出るのを防いでいる。 体をしっかり捻転しながら腕の三角形を崩さずに大きくバックスイングをし、ノーコック気味に高い位置まで手を上げていくのが特徴です。 バックスイング~切り返し Point:バックスイングのアークが大きい 下半身の回転を使ってトップまで振り上げ、上半身と下半身の捻転差を生かしてエネルギーを作り出しています。トップポジションでは左腕が少し曲がっていて、上半身にリキみがありません。切り返しで大きくねじった体の回転を戻すとき、軸やバランスが崩れないよう左足の踏ん張りを効かせています。 ダウンスイング~インパクト Point:大きな体重移動を左足の踏み込みで耐える 切り返しから骨盤がターゲット方向へスライドし、しっかりと体重移動がされている。このとき左ヒザが伸び切ったり、腰のほうがヒザより進行方向に近づくと力が抜けてしまいますが、強靭な左太モモの踏み込みで受け止めています。インパクトまで左ヒザの角度がほぼ変わらないことで、溜め込んだエネルギーを分散することなくボールに伝えられる。 体幹、足腰の強さを感じさせます。 フォロースルー Point:軸がしっかりして頭が動かない フォローでは頭がよく残っていて、軸が保たれています。インパクトまでの力強さとは裏腹に、どこかの部位が詰まったりすることのない適度な脱力感とやわらかさが特徴。腕のローテーションを自然に行なえ、フィニッシュへ向かってバランスよく振り切ることができます。 力強さのなかにしなやかさ、柔らかさを感じるスイングです。 フォロースルーの形に注目! Point:一般的にはインパクト付近で左ヒザを伸ばし切り、地面反力を使ってヘッドを加速するのがいいとされているが、嘉数プロの場合は少々控えめ。ヘッドが走りすぎてフェースの動きが不安定になるのを避けるためだろう いかがでしたか? 3つの南国スイングにぜひ挑戦してみてください! 新垣比菜 ●あらかき・ひな/1998年生まれ、沖縄県出身。165cm。昨年は「ヨネックスレディスゴルフトーナメント」で6年ぶりとなる2勝目をあげた。フェアウェイキープ率は70%に迫り、ティーショットで抜群の安定感をもっている。ダイキン工業所属。 千葉華 ●ちば・はな/1999年生まれ、沖縄県出身。155cm。昨年はステップアップツアー「山陽新聞レディースカップ」で2位タイに入る。豪快なスイングが持ち味で、これからの活躍が期待される若手のひとり。エビス物流所属。 嘉数光倫 ●かかず・てるみち/1989年生まれ、沖縄県出身。168cm、75kg。シード落ちやケガを乗り越え、昨年は上位フィニッシュの常連に。昨今のプロツアー世界では小柄なほうだが、沖縄仕込みのショットの安定性がプレーを支えている。エナジック所属。 解説=高橋友希子 ●たかはし・ゆきこ/アマチュア選手としての活躍後、指導者の道へ進み、Instagramフォロワー数は5万人超。わかりやすくシンプルなレッスンが好評で、昨年、横浜にインドアレッスンスタジオ「BAY GOLF CLUB」をオープン。 写真=ゲーリー小林

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