2790万円の価値はある? 「後席」が最高だった…極上「ファーストクラスパッケージ」に驚き! メルセデス・マイバッハ「EQS 680 SUV」乗った印象は?【試乗記】

Mercedes-Maybach EQS 680 SUVとは  メルセデス・マイバッハ初となるバッテリーEV(BEV)の「EQS SUV」は、前後にモーターを備えた4WDモデルです。  システムトータルで最高出力484kW(658PS)、最大トルク955Nmに達し、0-100km/h加速は4.4秒でクリアします。 【画像】これは凄い! 「超高級SUV」を画像で見る!(30枚以上)  速さを備えた高級SUVでありながらオプションで4人乗り(5人乗りが標準)も設定するショーファードリブンの顔を併せ持っています。 メルセデス・マイバッハ初となるバッテリーEV(BEV)の「EQS SUV」 「マイバッハ」の名は、2002年に「メルセデス・ベンツ」の上に君臨する高級車ブランドとして登場しました。  しかし、その名は2012年に1度廃止。2015年に「メルセデス・マイバッハSクラス」で復活を遂げ、現在に至っていて、現時点ではSクラス、GLS、SLの最上級グレードとしてメルセデス・マイバッハとして設定されています。  2024年8月に発売されたEQS SUV(正式なグレード名はMercedes-Maybach EQS 680 SUV)は、メルセデス・マイバッハ初のEVにふさわしいスペックが与えられています。  ボディサイズは、全長5135×全幅2035×全高1725mm、ホイールベースは3210mm。小山のような巨体ですが、5.1mの最小回転半径を実現する4輪操舵の4WS「リア・アクスルステアリング」を標準装備しています。  その大きさゆえ、狭い駐車場や狭い道でのすれ違いなどでは気を使うものの、4WSの威力は絶大。見た目よりもストレスなく扱えるのは、ベース車の「EQS SUV」と同じです。  EVセダンであるEQSにも同装備が備わりますが、EQS SUVはアイポイントの高さも相まって前方、左右の視界も良く、T字路などでの発進もしやすい印象です。  この巨体と床下に駆動用バッテリーを積むだけに車両重量は3050kgに達すものの、先述したように、システムトータルで最高出力484kW(658PS)、最大トルク955Nmに達する前後モーターにより、街中はもちろんのこと、高速道路での合流路や急な山道でも圧倒的な加速フィールが得られます。  不用意にアクセルを踏み込むと強烈な加速Gで身体がシートに押しつけられるだけでなく、EVらしいレスポンスの良さにより、重量級ボディをものともせず瞬時にさらに加速。  新東名高速道路の120km/h区間でもあっという間に速度上限に達し、そこからでも無尽蔵にパワーが湧き出てきそうな力感にあふれています。  ベース車の「EQS 580 4MATIC SUV Sports」もシステムトータルで400kW(544PS)/858Nmという圧倒的なアウトプットを実現していますが、それも超える速さはメルセデス・マイバッハの名にふさわしい加速といえます。  それでありながら車内は平穏そのもので、静粛性や乗り心地の良さは、ショーファードリブンにふさわしいレベルにあります。  22インチタイヤを装着するとは思えないほどソフトな乗り味で、すべての路面が滑らかにならされているかのような動きを享受できます。  溶けるような乗り心地でありながら、乗員の酔いを誘うような動きも皆無。ボディとシャシの剛性感もすこぶる高く、不快な揺れを一切伝えてきません。  ロングホイールベースであることはもちろん、SUVならではのロングストローク、3tを超える重量級であることも乗り心地の良さに効いていそうですが、何よりも連続調整「ダンパーADS+」を備える「AIRMATICサスペンション」の仕事ぶりが素晴らしく感じられます。  なお、車高を最大35mm高めることが可能で、雪上なども含めてシーンを問わず気を使わずに走破できそう。 後席の快適性はピカイチ! 「ファーストクラスパッケージ」とは  シートタイプは、後席が3人掛けになる5人乗りが標準で、左右独立シートになる2人掛けの4人乗り仕様を「ファーストクラスパッケージ」として設定しています。  左右独立シートをはじめ、後席中央部にセンターアームレストヒーター、専用シャンパングラス格納、温冷機能付カップホルダー、クーリングボックス(クーラーボックス)を用意。  さらに、前席背もたれ裏に格納式テーブルも備わります。なお、後席両側の11.6インチモニター「MBUXリアエンターテインメントシステム」やリアのタブレットは、同パッケージには含まれておらず、最初から標準装備になります。  ショーファードリブンとして使える「ファーストクラスパッケージ」の後席は、身長171cmの筆者の場合、全身が包まれるようなシートサイズの余裕があります。  ショーファーの中には、足元も頭上まわりももっと広いモデルもありますが、座面と背もたれはもちろん、ヘッドレストやオットマンまで身体が触れるすべての場所がソフトで、快適性も抜群。  それでながら座面の底付き感とは皆無で、ロングドライブでも頻繁に姿勢を変える必要はなさそうです。  後席には停まった状態のみで、走行状態で乗る機会はありませんでしたが、先述した乗り心地の良さも含めてショーファーとして最高の環境を提供してくれるのは間違いありません。 走りはどんな感じ?  装備、機能面では、インパネのセンターディスプレイで操作できる電動コンフォートドアが目を惹きます。リアも含めて全ドアがスイング式ですが、自動で開閉操作が可能です。  そのほか、最近のメルセデスでお馴染みの対話型インフォテイメントシステム「MBUX」はもちろん、拡張現実を使った「MBUX ARナビ」、メーター、センターディスプレイ、助手席前にまでディスプレイを配置した3枚の高精細パネルによる先進性の高さも享受できます。  そのほか、「V2H」、「V2L」の給電機能にも対応し、万一の災害時などに備えることもできます。  ショーファードリブンとしてのみ使うのはもったいないのは、メルセデスの高級モデルらしく、運転が好きであればステアリングが握りたくなる走りの良さを十分に堪能できるはず。  2790万円の価値は、運転席でも後席でも実感できるのではないでしょうか。

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