岐阜県中津川市は、妖艶（ようえん）な美少女が異形の姿に変容する作品「富江」などで知られる中津川市坂下出身のホラー漫画家、伊藤潤二さん（千葉県在住）を市観光大使に任命した。 市のマンホール蓋のデザインを描き下ろすなど、早速、ふるさとのために一役買ってくれている。 伊藤さんは、高校時代まで坂下で過ごし、１９８６年にデビュー。「富江」や、うずまきに精神が侵される人々を描いた「うずまき」などを手がけ、「富江」は複数回映画化されている。「漫画のアカデミー賞」と呼ばれる米国の漫画賞「アイズナー賞」を４度受賞、世界的に人気を集める。 伊藤さんが描き下ろしたデザインは、中津川市の紙製品加工会社「中津紙工」が、デザインマンホール蓋として市へ寄贈。絵柄は７枚で、１枚はマンホール蓋としてＪＲ中津川駅前に設置予定だという。 ２３日に中津川市内で行われた寄贈式には、伊藤さんも同席。マンホール蓋のイメージデザイン画「とみえとえなさん」「そういちとはなのこ」の２枚が披露された。中津紙工の酒井敏孝社長から目録を受け取った小栗仁志市長は「日本を代表する漫画家のデザインマンホール蓋をいただくことができ光栄」と喜んだ。 市は、デザインのマンホール蓋の活用で、リニア中央新幹線の開業を控えた市の知名度アップや観光推進への期待を込めて、伊藤さんを７人目の市観光大使に任命した。 寄贈式に続いて行われた市観光大使の任命式では、伊藤さんに対し、小栗市長が任命書とたすきを渡した。伊藤さんは「中津川市で育った者として名誉なこと。不慣れですが、観光振興で自分のできることに努めていきたい」と力を込めた。
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