新車“104万円”だけど「私、外車です!」 まさかの「スズキで買えた“アメ車”」って何!? 全長3.6mサイズ×1.5Lエンジンでめちゃ“低燃費”! 「丸型4灯テール」もいいシボレー「クルーズ」とは

“アメ車”だけどスズキ車!?  生産終了したクルマを振り返ると、意外にも“隠れた名車”が多いことに気づきます。そんな中でもひときわ異彩を放っていたのが、スズキ製でありながらシボレーブランドを冠したコンパクトカー「クルーズ」でした。 え?スズキ製の外車?  クルーズは、スズキと米・ゼネラルモーターズ(GM)の共同開発によって誕生し、2001年から2008年まで日本市場で販売されました。 【画像】超カッコイイ! まさかの「スズキで買えた“アメ車”」を画像で見る(19枚)  スズキ「スイフト(初代)」をベースにしており、設計・生産はスズキが担当、エクステリアとインテリアデザインはGMが手がけるという役割分担で生まれたモデルです。  スズキの販売網では1.3リッター車が、GMのオートワールド店では1.5リッター車が展開され、両ブランドの強みを活かす販売戦略がとられていました。  開発コンセプトは「スポーティー&タフネス」。日本のコンパクトカーでは見られないアメリカンテイストを積極的に取り入れることで、従来の国産車とは一線を画す個性的な存在を目指していました。  日常使いに適したサイズ感ながら、“アメ車っぽさ”を持つというユニークさで、国産車の中でも異端の立ち位置にありました。  エクステリアは、上下2分割の大型コンポジットヘッドランプ、太いクロスバー付きグリル、張り出したフレアフェンダー、丸型4灯リアランプなど、シボレーブランドのアイコニックな意匠を採用。  ボディサイズは全長3625mm×全幅1610mm×全高1545〜1610mm(モデルによって異なる)で、SUVライクなスタンスも演出していました。  ボディカラーは販売チャネルによって異なり、スズキ仕様には5色(専用色1色)、GM仕様には6色(専用色2色)が用意されていました。  インテリアはGMのデザインチームが手がけ、ブラック×シルバーの2トーンパネルや、メッキパーツを用いたスポーティな加飾が特徴です。  シートは大型で、運転席にはランバーサポートも備わっていました。ブラック×レッドとブラック×グレーの2種類の内装色が用意され、上質な個性を演出しています。後席もヒップポイントを下げて設計され、十分なレッグスペースを確保。  さらに、4WD車には運転席シートヒーターも標準装備されるなど、快適性にも十分配慮されていました。  装備面では、チルトステアリングと運転席シートリフター、花粉フィルター付きエアコン、UVカットガラス、2DINオーディオスペースなど、当時の国産コンパクトカーと比べても遜色ない仕様でした。リアシートはワンタッチ可倒式で、ラゲッジスペースはシンプルな構造ながら使い勝手も良好でした。  パワートレインにはスズキ製のM型エンジンが採用されました。1.3リッターの「M13A」型は最高出力88PS・最大トルク118N・m、1.5リッターの「M15A」型は最高出力110PS・最大トルク143N・mを発生。  トランスミッションは全車4速ATで、駆動方式はFFと電子制御カップリング方式の4WDが用意されていました。燃費は10・15モードでFF車が17.4〜18.0km/Lとされ、アメ車としてはかなり低燃費な値となっていました。  足まわりには、スズキのI.T.L(アイソレーテッド・トレーリング・リンク)式を採用したリアサスペンションが搭載され、GMが専用チューニングを施していました。乗り心地はしなやかで安定感があり、コンパクトながら“大きなクルマ”的な快適性を志向していたことがうかがえます。  販売価格は、1.3リッターFF車が103万9000円からで、上級グレードや4WD車では最大で150万1500円でした。1.5リッター車はFFが135万4500円、4WDが153万300円と、やや高価格帯に設定されていました(いずれも最終モデルの価格)。新車としては比較的お手頃な設定でしたが、アメリカンテイストという個性の分、万人受けしづらい側面もありました。  シボレークルーズの販売は振るわず、2008年に静かに販売終了となりました。その背景には、同年のGMとスズキの資本関係解消にともなうOEM契約の見直しがあったようです。  とはいえ、クルーズは“スズキ製アメ車”という稀有な存在として、今なおマニアや個性派ユーザーの記憶に残っています。中古車市場ではタマ数が少なくなっており、状態の良い個体を見つけるのは難しくなりつつありますが、ユニークなデザインとスズキ車ゆずりの信頼性から、一定のファン層に支持されています。  他と違う個性を求める人にとって、クルーズは今も魅力的な選択肢です。国産の実用性とアメリカンブランドのキャラクターを融合させたこのコンパクトカーは、かつて日本市場に吹き込まれた“小さなアメ車の風”として記憶される1台なのです。

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