小泉今日子と中井貴一 今期の連ドラでとりわけ注目されているのが、小泉今日子(59)と中井貴一(63)がダブル主演しているフジテレビ系月9ドラマ「続・続・最後から二番目の恋」(月曜午後9時)。還暦を控えたテレビ局のドラマプロデューサー・吉野千明(小泉)と、鎌倉市役所に再任用された公務員・長倉和平(中井)の微妙な関係を描いたロマンチック&ホームコメディーだ。(※以下、ネタバレを含みます) *** 【写真を見る】59歳になった「小泉今日子」には“白髪”が… 13年前と比較してみると 19日放送の第6話では、事実婚の恋人のふりを頼まれて、信州・上田にある千明の実家に赴いた和平。千明の両親に「千明さんといると幸せです。楽しいです」とつい“本音”を漏らす場面があり視聴者をほっこりさせた。 小泉今日子と中井貴一 2012年放送のシーズン1、14年放送のシーズン2から見続けているファンにとってはハートを直撃する“名シーン”だったに違いない。 ところで、視聴率はどうなっているのか。評判の高さにもかかわらず、意外にもダウントレンドを描いている。推移をみると、世帯視聴率は第1話9.4%、第2話8.4%、第3話7.8%、第4話7.9%、第5話7.4%、そして19日放送の第6話は7.2%だった。個人視聴率も第1話5.5%、第2話4.8%、第3話4.5%、第4話4.5%、第5話4.3%、第6話4.1%と、こちらもじりじりと数字を下げている(ビデオリサーチ、関東地区)。 テレビ誌ライターがこう話す。 「高齢層に偏る傾向がある世帯視聴率は、近年あまり重視されていませんが、個人視聴率まで下落しているのは危険なサインです。期待度や注目度の指標となっている見逃し配信のTVerお気に入り登録数が、123万8000と今期のドラマではダントツの記録となっているだけに気になるところです」 かつて放送されたシーズン1の視聴率は11%から13%を、シーズン2もおおむね12%から14%を安定的に推移していた。両シーズンとも、第6話は第5話に比べて1%ほど数字を落としている。その後は復調傾向に戻っているため、シーズン3についても先行きをことさら悲観する必要はないし、当時とは個人の視聴スタイルが大きく変化している点も考慮すべきところだろう。ただ、フジ関係者は懸念材料を指摘する。 落ち着いた時間帯に 「シーズン1、シーズン2はともに、木曜10時の枠で放送され人気となった作品です。ところが今回は月曜9時に枠移動しました。2008年放送の山下智久主演『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』も当初は木10枠で放送され、2010年放送のシーズン2から月9枠へ移動しているので珍しいことではありません。 しかし、ネットの反応を見ると『続・続は木10枠で見たかった』という声が少なくないのです。初老を迎えた男女の恋がテーマですから夜10時台の落ち着いた時間帯にリアルタイムで視聴したかったのでしょう。前2作と同じ木10枠だったら違う結果になったかもしれません」 改めて第6話の展開を振りかえるとそう思わせるシーンが続出している。深夜に千明の家に設置した防犯ベルが鳴り響いたため、和平は急いで千明の寝室に駆け上げると、そこには泥酔して服を脱いだ状態で横たわる千明の姿が。 数日後、千明の実家で母親の有里子(三田佳子)と父親の吉野隆司(小倉蒼蛙)が和平と対面し、有里子は不注意で幼少期の千明のお尻に火傷をさせてしまった事故を吐露。後悔の念で火傷の跡がどうなっているのか気にする有里子に和平は「ありませんよ、もう」と口走ってしまったことから千明と大げんかに…。 「シーズン1から脚本を担当している岡田惠和氏らしいウィットに富んだ大人のシーンでした。第3話もそうでしたが、うわべだけの飾られた姿ではなく大人の性に対するリアルな感情もさりげなく織り込んでいるところはさすが。 ただ、千明は多様な人材と知り合えるドラマの現場が好きという設定ですが、一般的には年齢を重ねるごとに人間関係がおっくうになるというのがリアルなところ。そこに微妙な違和感を抱いてしまいます。 しかも、今作は11年ぶりの続編。11年もの間、千明と和平の腐れ縁に進展がなかったのは何とも歯痒いですし、“間延び”を感じてしまう視聴者は少なくないのでは。あと5年早ければと惜しまれます」(前出のテレビ誌ライター) 第6話では、高齢者が生き続けるマインド形成と生と死の哲学的な問いが、ユーモラスに描かれた。水切りをきっかけに始まる和平と医師・成瀬(三浦友和)の鞘(さや)当ても今後の注目となりそうだ。 デイリー新潮編集部