日米とオーストラリア、フィリピンの４か国が３０日〜６月１日にシンガポールで開かれるアジア安全保障会議に合わせ、防衛相会談を行う方向で調整していることが分かった。 複数の外交筋が明らかにした。第２次トランプ政権下では初めて。インド太平洋地域で多国間連携を強化し、中国に対抗する狙いがある。 実現すれば昨年５月に米ハワイで行って以来３回目となる。会談では中国の覇権主義的な行動への懸念を共有し、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向け、４か国の合同演習を拡大する方針を確認するとみられる。４か国は今年２月、海上自衛隊や米豪比の海軍が参加する共同訓練を南シナ海で行った。 日本の中谷防衛相やヘグセス米国防長官らの出席が見込まれる。両氏は３月に会談し、日米を軸に豪比などとの協力関係を強化する方針で一致していた。 フィリピンは南シナ海のスプラトリー（南沙）諸島などで中国と領有権を争い、日本も東シナ海で中国の威圧的な海洋進出に直面している。日比両国は中国に対する抑止力強化の必要性を共有しており、４月の首脳会談では中国を念頭に安全保障協力を深めることで合意した。豪州も太平洋島嶼（とうしょ）国に接近する中国への警戒を強めている。
もっと
