【ワシントン＝阿部真司】米国のトランプ大統領は２０日、次世代のミサイル防衛システム「ゴールデン・ドーム」の概要を明らかにした。 中国やロシアによるミサイル攻撃などから米本土を守るため、宇宙空間に迎撃装置を配備する。約３年で完成させ、自身の任期が終わる２０２９年１月までに運用を始めるという。 トランプ氏はホワイトハウスで記者団に「地球の反対側や宇宙から発射されたミサイルでも迎撃できる」と述べ、「史上最高」のシステムだと強調した。 開発計画の責任者には、宇宙軍作戦副部長のマイケル・グートライン大将を指名した。開発費用は総額約１７５０億ドル（約２５兆円）に上るとされる。 東西冷戦下の１９８０年代、米国のレーガン大統領（当時）は旧ソ連からの大陸間弾道ミサイル（ＩＣＢＭ）を宇宙空間で破壊できるようにする戦略防衛構想「スターウォーズ計画」を提唱した。トランプ氏は「レーガン大統領が始めた任務を成し遂げ、米本土へのミサイルの脅威を永久になくす」と語った。 中国外務省の毛寧（マオニン）報道局長は２１日の記者会見で「米国は自国優先の安全保障の追求に固執し、世界の戦略的バランスと安定を損なっている」と批判し、配備方針の撤回を求めた。 一方、タス通信によると、ロシア大統領府のドミトリー・ペスコフ報道官は２１日、「米国の主権の問題だ」と記者団に述べるにとどめた。トランプ政権下で改善している米露関係に配慮した可能性がある。
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