札幌市の秋元克広市長は１９日、さっぽろ雪まつりで大雪像２基を制作する陸上自衛隊第１１旅団から、２０２７年から制作を１基に減らしたいと申し入れがあったことを明らかにした。 人員確保が難しいといい、秋元市長は陸自の意向を受け入れた上で、「自衛隊の大雪像はスケールが大きく精緻（せいち）で、まつりのシンボル。残念だが、まつり自体の魅力を落とさないようにしたい」と話した。 市によると、今年３月に陸自から負担軽減の相談があり、この日、正式に申し入れを受けた。陸自は国際情勢の緊迫化や大規模災害への対応、冬季訓練の重要性を理由に挙げ、「大雪像制作に多くの隊員を充てることが困難になった」と説明しているという。 大雪像は長年、計５基制作され、陸自はこのうち２基を担当してきた。今年は延べ８０００人を動員。能登半島地震への対応もあり、人員確保に苦労したという。２０１４年までは陸自が３基制作していたが、訓練時間を確保するため、担当を３基から２基に減らした経緯がある。 減らした分は民間団体が制作を担い、５基体制を維持してきた。今後もこれを継続するかどうかについて、秋元市長は「そう簡単ではない」と説明し、縮小する可能性を示唆した。今後、関係機関と協議して決める。 雪まつりを巡っては、雪不足や気温上昇に伴う制作作業の中断など課題があり、市が持続可能なまつりのあり方について検討している。２０２６年のまつりでは、これまで通り陸自が大雪像を２基造る。
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