大人は重症化も……水ぼうそうが“異例の流行”ナゼ 感染力どれほど強い? 治っても「帯状疱疹」に注意【#みんなのギモン】

埼玉県や東京都で、水ぼうそうの流行注意報が続いています。患者が増加している背景には何があるのでしょうか? 子どもがかかるというイメージを持たれがちですが、重症化の恐れがある大人も注意が必要です。帯状疱疹との関係や感染防止対策を考えます。 そこで今回の#みんなのギモンでは、「水ぼうそう 異例の流行なぜ?」をテーマに解説します。 ■各地で…水ぼうそうの「注意報」 山崎誠アナウンサー 「埼玉県では14日、水ぼうそうの流行注意報が発表されました。4月初旬から、定点医療期間からの患者の報告が増え始め、5月5日〜11日の1週間に報告された水ぼうそうの患者数は、1医療機関あたり1.43人でした」 「国が定める注意報の基準である1を上回り、増加傾向が確認されたため、流行注意報が発表されました。1.43人というのは、去年の同時期の2倍以上です。現在の方式で統計を取り始めた1999年以降、初めてだということです」 「また、東京都も6年ぶりに5月1日から注意報を出しています。4月27日までの1週間に報告された患者数は国の基準を下回っていますが、東京都の基準で31ある保健所のうち10の保健所管内で注意報レベルになったためだといいます。注意報は現在も続いています」 森圭介アナウンサー 「水ぼうそうというと子どものイメージがあり、あまり今ははやっているというイメージはなかったですね」 斎藤佑樹キャスター 「僕自身も小さいころにかかったことがあると思うんですけど、まさに子どものイメージで、大人がかかるのかどうかは知りたいところです」 ■主な感染経路は空気・飛まつ・接触 山崎アナウンサー 「国立健康危機管理研究機構によると、水ぼうそうは季節的には毎年12月〜7月に多く、感染リスクが高い時期は長く続きます。全身にかゆみを伴う赤い発疹ができ、短期間で水ぶくれになるのが特徴の感染症です」 「患者の年齢はほとんとが9歳以下だといいますが、大人でもかかり、大人と子どもでは症状の出方は違うということです。子どもは発疹が最初に出ることがほとんどですが、大人の場合は1〜2日の発熱とけん怠感の後に発疹が出ることもあるそうです」 「子どもは比較的軽症で済みますが、成人は重症化の恐れがあり、妊婦の方は特に注意が必要です」 「感染力はとても強く、1人の患者から8〜10人にうつすとされ、主な感染経路は空気感染・飛まつ感染・接触感染で、家庭内接触の発症率は90%と言われています。基本的には、一度かかったら二度とかからないとされています」 ■ワクチン定期接種で患者数は激減 鈴江奈々アナウンサー 「水ぼうそうにかかった斎藤さんも抗体があるということですが、(私の)子どもにワクチンを打っています。その効き目はどうなのでしょうか?」 山崎アナウンサー 「子どもへの水ぼうそうワクチンの定期接種は、2014年から始まりました。1〜3歳に2回打つようになりましたが、愛知医科大学の渡辺大輔教授によると、その後患者数は激減していたといいます」 「しかし10年たって、(2024年ごろから)ワクチンの効果が薄れてきた一部の人たちが水ぼうそうに感染し始めている可能性があるということです」 瀧口麻衣アナウンサー 「ちょうど小学校高学年から中学生あたりの子たちが、ということなんですね」 山崎アナウンサー 「ワクチンが定期接種となったことで、周りに水ぼうそうにかかる子どもが減っているので、追加免疫を得るチャンスが減ってしまったということです」 ■帯状疱疹、50歳を超えると発症増 山崎アナウンサー 「水ぼうそうはウイルスが原因ですが、水ぼうそうウイルスは帯状疱疹(ほうしん)を引き起こすウイルスと同じです」 斎藤キャスター 「(帯状疱疹は)大人もかかっているイメージもあります」 山崎アナウンサー 「そうですね。子どもの頃に水ぼうそうにかかって治った後もウイルスは体内に潜伏していて、普段は免疫によって抑えられていますが、加齢・疲労・ストレスなどで免疫が低下すると、痛みを伴う帯状疱疹を引き起こします」 「50歳を超えると発症する人が増え、80歳までに約3人に1人が発症すると言われています。こうした帯状疱疹の患者に、水ぼうそうにかかったことがなかったり、ワクチンを打っていなかったりした人が接触した場合、水ぼうそうにかかる危険性もあるといいます」 森アナウンサー 「大人だからと油断してはいけないんですね」 ■家庭内で感染者が出た場合は? 山崎アナウンサー 「感染力がとても強い水ぼうそう。感染予防はどのようにすればいいのか、藤沢市民病院の臨床検査科部長を務める清水博之医師に聞きました。最も有効なのはワクチン接種で、子どもには定期接種をきちんと受けさせてほしいといいます」 「大人は基本的な対策になりますが、マスク・手洗い・アルコール消毒が有効です。そして家庭内で感染者が出た場合、空気感染するので、看病はできれば水ぼうそうにかかったことのある人や、ワクチンを2回接種済みの人がするようにした方がいいということです」 鈴江アナウンサー 「水ぼうそうは新しいものではありませんが、とても流行しているということで、定期的にできることを気をつけたいですね」 山崎アナウンサー 「埼玉県や東京都では、水ぼうそうの流行注意報が続いています。疑われる症状が出た場合は、事前に連絡をした上で医療機関を受診するようにしてください」 (2025年5月19日午後4時半ごろ放送 news every.「#みんなのギモン」より) 【#みんなのギモン】 身の回りの「怒り」や「ギモン」「不正」や「不祥事」。寄せられた情報などをもとに、日本テレビ報道局が「みんなのギモン」に応えるべく調査・取材してお伝えします。(日テレ調査報道プロジェクト)

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