上越市の小学校で5月12日に漂白剤の入った水を誤って教員が児童に提供し、児童6人が飲み救急搬送された事故について、上越市は保護者説明会を実施し再発防止策を説明したと19日、発表しました。 6人の児童は救急搬送されましたが、19日時点で体調に異常のある児童は確認されていないということです。 事故があったのは上越市の直江津小学校です。 上越市によりますと5 月9日、 工事事業者から学校に対し 「12 日午後からの水道工事に伴い午後1時から4時30分までの間、水が濁る可能性がある 」という連絡がありました。 その後、 12 日の朝、午後の飲料水の不足が心配されるとして、用務員がジャグと呼ばれる取手付きの水入れ容器3個に水を張り、 他の教員が漂白剤を入れて消毒を行いました。ジャグは水8リットル入る容器で、漂白剤50ミリリットルが入れられていたということです。 その後、午後1時前、教頭がジャグに入っている水が消毒中のものと気づかずジャグにふたをして校内のオープンスペース3か所に持って行き、昼休み、児童が飲むことができるように配置していました。 午後1時15分頃、ジャグの水を飲んだ児童6人（うち1人は口に入れたが吐き出した）から「水が苦い」、「プールの味がする」と担任に訴えがあり、学校はジャグを即時に撤収し、やかんに入れた水に切り替え提供したということです。 関係者への聞き取りでジャグに漂白剤を入れたままであったことが分かったことから、6人の児童は救急搬送されました。 受診の結果、児童に異常は見られず、体調不良を訴える児童はいなかったということです。紙コップ（容量約80ml）で半分以上を飲んだ児童1人は、経過観察のため1泊入院したということですが、13日午前に退院し、異常は確認されませんでした。 原因や問題点について市は、次の4点を挙げています。 ・5月9日に工事連絡を受け12日に対応を協議するまでの情報共有に速やかさを欠いた。 ・ジャグを設置することについての指示、連絡をあいまいにしてしまったため、各自が確認や報告をしないまま作業を進めてしまい、消毒作業と水の配置を行う教職員の連絡が不足。また管理職による作業ごとの確認ができていなかった。 ・「ジャグに漂白剤を入れている最中である」という表示をしていなかった。 ・ジャグを配置する前に内容物の確認を行わなかった。 学校は申し出のあった児童の自宅へ謝罪に訪れ、全保護者に対し、事故の概要をメールや電話で説明し、14日から16日までの間、学校訪問カウンセラーを常駐させ子どもの心のケアにつとめたということです。 再発防止として学校は今回のような急な業務対応が必要の場合、必要な職員名や業務内容をホワイトボードに明記し、それに基づいて校長・教頭が職員に指示を出す、交代する場合は管理職に報告するなどし、状況に応じ明確な指示を出すなどとした取り組みを説明。また市は市立の全小中学校と幼稚園に対し、危機管理の徹底を指示し、教育委員会へチェックリストによる点検結果などを報告させ、今回の事故の原因や問題点について指導したということです。