MEGUMI「”退化”しないために、なるべく”怖い”ことを選んでいる」

タレント、俳優、そして「美のカリスマ」などさまざまな顔を持つMEGUMIさんだが、ドラマ「完全に詰んだイチ子はもうカリスマになるしかないの」(22)、映画『零落』(23)『FUJIKO』(26公開予定)をプロデュースするなど、映像コンテンツの作り手としての活躍の場が増えている。 そんなMEGUMIさんが2024年、世界三大映画祭のひとつであるカンヌ国際映画祭会期中に海外の映画産業に携わる関係者の交流を目的とする「JAPAN NIGHT」を開催。俳優・斎藤工や深田晃司監督がプレゼンテーションを行った同イベントは1000人もの動員を集め、成功を収めた。そして今年の5月16日、第2回目が開催される。 渡仏を前に実施したインタビュー前編では、イベント開催に至るまでの思いについて聞いた。後編となる本記事では、多忙な中でも新しいことにチャレンジし続けるMEGUMIさんの原動力に迫る。 【前編を読む】「なんでMEGUMIが?と私自身も何度も考えた」カンヌ国際映画祭で「JAPAN NIGNT」を開催する理由 MEGUMI流、マルチタスクのこなし方 ——今年の4月からYouTubeを始められましたが、分刻みのスケジュールの中、移動中に仕事のメールや電話、メイク中に英会話のレッスンをする姿が公開されています。日々、マルチタスクをどうこなされているのでしょう。 MEGUMI:私のスケジュール表を見たら皆さん驚愕するんじゃないかと思うくらい(笑)、事細かく設定しています。例えば朝の9〜10時は家事をやってその後はオンライン会議、その後はセリフを覚えて——と仕事以外も全てをタスク化してスケジューリングすることで、乗り切っています。私自身も覚えていられないので、全部文字化して“これを見れば大丈夫”という仕組みを作りました。 振り返ってみると、子どもの頃から習い事の申込書を自分で取りに行って母親に打診して、1週間のうち6日くらい習い事を行っていました。そうした意味では、昔からスケジューリングする才能があったのかもしれません。 ——なるほど、キャパ超えが起きないように“見える化”を徹底されているのですね。 MEGUMI:ただ、だからといって滅茶苦茶丈夫なわけではなく、定期的に倒れてしまってもいます。気持ち的には「まだいける」と思っていても、年齢的な部分で身体が悲鳴を上げちゃう瞬間はありますから。ただ今年と来年は勝負の時期と決めていて、走り切ったらもう少しペースを落としてじっくりやっていきたいとは思っています。 「仕事は待つもの」から「仕事は作るもの」に発想を転換 ——“見える化”の話にもつながりますが、過去のインタビューで起業をきっかけに「自分の事業計画書」も作るようになったそうですね。以来、「やりたい仕事が来ない」ではなく「やりたい仕事が来るようにする」に考えをシフトしたと話されていたのが印象的でした。 MEGUMI:そうですね。主体的に動く自分の性質と芸能界の「仕事は待つもの」という通例がかけ離れていて、長い間苦しかったです。お仕事があるときはいいけれど、ないときは地獄のようにつらい状態になりますから。そんななか、自分で作品を作ることで仕事を生み出していく道を見つけられたことでやっとこの苦しみから自分を解放できると思いました。 いまは個人が発信していく時代ですが、私は「仕事と離れたプライベートを出しすぎると女優の活動の邪魔になる」と言われてきた世代の人間です。それはある意味で真実かと思いますが、もうそんな時代でもありませんよね。そこで作品を作ったり、YouTubeを始めてみたりと色々と挑戦しています。 仲間の輪が広がるなかで感じている、映像業界の変化 ——2023年より、『正体』で日本アカデミー賞最優秀監督賞を受賞した藤井道人監督らが所属する映像レーベル「BABEL LABEL」にプロデューサーとして参加されています。自分から動いてきたからこそ、味方や仲間が増えてきたのですね。 MEGUMI:BABEL LABELの藤井道人監督も海外に視野を置いていらっしゃいますし、映画監督やプロデューサーを含めた映画関係者に共有言語を持った方々が増えてきているのは、とても嬉しいです。 1回目の「JAPAN NIGHT」を行ったからこそ、他の映画祭からもお話をいただけるようになりました。ただ、やってみるまではものすごく怖かったです。“誰に何を言われるんだろう”“お客さんが一人も来なかったらどうしよう”と追い詰められていましたから。そんな中でも動いた自分に“やってよかったね”と思いますし、支えてくれたスタッフに感謝しています。 輪が大きくなっていくなかで、“危機感だけで動くのはやめよう”と思えるようにもなりました。昨年のカンヌ国際映画祭における日本の注目度の増加もそうですし(詳しくは前編を参照)、いまは過渡期にあると思っています。 例えば一昔前までは女性の俳優はある一定の年齢を越えるとお母さん役しか来なくなって役の幅が狭まってしまう傾向がありましたが、数年前から変化が生じてきた感覚があります。Netflixなどの配信プラットフォームが様々なジャンルを広く見られるよう偏りをなくしてくれた部分もあると思いますが、その波に乗って、いつ何歳になっても仕事がある環境を少しでも作りたいです。 「初めて」に挑み続けるMEGUMIの原動力 ——MEGUMIさんでもやはり、初めてのことに“怖い”と感じるのですね。最後に、新しいことにチャレンジし続ける中で「初めての怖さ」をどう乗り越えてきたのか教えてください。 MEGUMI:新たなフィールドに臨むこと、新生活に身を投じることは不安なものです。息子の学校のことのようにプライベートだってそうですし、新たな人たちと一緒に作品を行うとき、ワクワクだけじゃなくて怖さは常にあります。ただ、そこで怖気づいていたら退化してしまうと思うんです。 年齢を重ねた方にお話を聞くと、やらなかったことを後悔している方がとても多く、であれば自分はやらなかった後悔をなるべくなくしたいと思って生きています。最初は怖いと感じたこともやってみたら楽しかったと思えるものだし、失敗だとしてもやらなかったよりは筋肉がついていますよね。 いまはネット上などに情報が出すぎていてキラキラした人しか見えないぶん、恐怖心がより増長されている感がありますが、やらないことには何も変わりません。35歳くらいから感覚が老けていくのは、どうしても腰が重くなってしまうことと結びついているとも思います。だから、なるべく怖いことを選んでやっていきたいと思っています。 【前編】「なんでMEGUMIが?と私自身も何度も考えた」カンヌ国際映画祭で「JAPAN NIGNT」を開催する理由

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