デビューから17年目を迎える松山弘平騎手 大きな壁を乗り越える

 【競馬人生劇場・平松さとし】14日、川崎競馬場で行われたエンプレス杯(Jpn2)には8戦全勝のオーサムリザルトが出走。圧倒的1番人気に推された。しかし、その牙城をわずか頭差で打ち破ったのがテンカジョウだった。前走の兵庫女王盃(Jpn3)に続くダート交流重賞連勝で、その前走から手綱を取っているのが松山弘平騎手。11日に行われたNHKマイルC(G1)もパンジャタワーで勝利を収めており、わずか4日の間に2つの大仕事を成し遂げたわけだ。  20年にはデアリングタクトを駆って史上初の無敗牝馬3冠を達成した実力派。現在35歳。デビューから17年目を迎えた中堅騎手で、磨き抜かれた先行力には定評があり、先週終了時点で全国リーディング5位という好成績を残している。  そんなトップジョッキーの一人である彼は、デビュー当初からその素質が光っていた。09年3月1日、小倉競馬場で迎えたデビュー戦でいきなり初騎乗初勝利を飾ると、その日のうちにもう1勝。デビュー日にいきなり2勝という鮮烈なスタートを切ってみせた。  「初騎乗初勝利は師匠の池添兼雄先生(引退)の馬でした。その日は僕の誕生日でもあり、先生がプレゼント代わりに良い馬を用意してくれた感じでした」  このように最初から順風満帆と思われる松山騎手だが、実はデビューに至るまでに1つ大きな壁を乗り越えていた。体が小さかった松山少年は、父親の勧めもあって小学5年から乗馬を始めた。中学3年になる頃には自らも「騎手になりたい」という思いを固めていた。そしてJRA競馬学校、騎手課程に挑戦する。  「でも、1次試験で落ちてしまいました。ショックでしたけど当時は倍率が高かったので、そう簡単に受かるものではないだろうという思いもありました」  結果、一度高校に進学してから再挑戦。ここで合格して現在に至る。もし、その1年間に本人の気持ちが折れていたら“松山弘平”という名手は競馬界にいなかったかもしれない。松山騎手の今後ますますの活躍を期待しよう。(フリーライター)

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