生駒里奈、20代は「30歳以降に花開くための準備期間」 “一番安心できる場所”の舞台に注ぐ真摯な思い

 2018年に乃木坂46を卒業後、舞台、ドラマ、映画とさまざまな作品で変わらぬ輝きと存在感を放つ生駒里奈。この春は人気ドラマを舞台化する『家政夫のミタゾノ THE STAGE レ・ミゼラ風呂』に出演し、また新たな魅力を発揮する。今年12月には30歳となる生駒に、「一番安心できる場所」だという舞台への思い、20代の10年と30代への心境について話を聞いた。 【写真】変わらないキュートな”生駒ちゃん”から大人な表情まで! 生駒里奈、インタビュー撮りおろしショット ◆一番好きな家事は“掃除”「月イチで断捨離をしている」  女装した大柄な家政夫・三田園薫が、派遣された家庭・家族の内情を覗き見し、そこに巣食う“根深い汚れ”までもスッキリと落としていく痛快“覗き見”ヒューマンドラマシリーズ『家政夫のミタゾノ』。松岡昌宏主演で2016年10月にスタートし、最新の第7シーズンは3月に最終回を迎えたばかり。舞台化第二弾となる本作は、むすび家政婦紹介所一行が創立10周年を記念した社員旅行で老舗旅館「カモヤ」を訪れる事から巻き起こる大騒動が描かれる。  ミタゾノ役の松岡をはじめ、平田敦子、しゅはまはるみ、余貴美子といったおなじみのメンバーに加え、関西ジュニア「AmBitious」の岡佑吏、蘭乃はな、吉田ウーロン太、川久保晴、久ヶ沢徹、マルシア、金田明夫ら実力派が勢ぞろい。生駒は、ミタゾノの新しい相棒となる新人家政婦・荻野千紗子を演じる。 ——本作出演のお話を聞かれた時のお気持ちはいかがでしたか? 生駒:ずっと続いている作品にこのタイミングで参加させていただけることはすごくありがたいなと思いました。手練れの皆さんばかりで、先輩のいろんな技を盗めるチャンスでもあると思うので、稽古や本番が楽しみです。不安とかありますか?と聞かれるんですが、もう29歳なので、まったくなくて(笑)。楽しみのほうが強いです。 ——『家政夫のミタゾノ』という作品にはどんな印象をお持ちでしたか? 生駒:やっぱり松岡さんのビジュアルの印象が強いです。ドラマは1話完結で身構えずに観ることができて楽しいですよね。生活に役立つ知識をもらえて、いろんな年代の方が観てもクスッと笑えるところが素敵だなと思います。 ——松岡さんの印象はいかがでしょう? 生駒:ちっちゃいころからテレビをつけたらいらっしゃる、TOKIOの松岡さん。一視聴者としての印象でしかないんですけど、男らしい方だなっていう印象があります。リーダーシップで引っ張ってもらいたいです。 ——今回演じられる千紗子はギャルの家政婦とのことですが…。 生駒:私の人生でギャルみたいに振る舞う瞬間ってこれからもないと思うので、そこは楽しんで、新しい自分を発見できたらいいなと思っています(笑)。私の中で、ギャルと言えば仲里依紗さん。仲里依紗さんのYouTubeを見るのが大好きなので、いろいろと参考にしつつ役作りしていきたいです。 ——ちなみに、生駒さんが得意な家事は何ですか? 生駒:料理がすごく苦手で、掃除は大好きです。掃除しかしたくない(笑)。人より食べることに興味がなくて、疲れちゃったらご飯を食べないくらいなので、料理をやってほしいと言われたら断ります(笑)。 掃除に関しては、あまり物を買わないし、断捨離が好きなので、芸能界で一番服を持っていないかもしれません。大体月イチくらいかな? ストレスが溜まったなと思った時に断捨離をしています。 ◆舞台は自分の性格に合った「一番安心できる場所」 ——前回の舞台『家政夫のミタゾノ』は歌やダンスも盛り込まれた内容でしたが、今回は? 生駒:……ダンスはいいんですが、歌はすごく不安です。グループでも“歌要員”ではなかったので。普通卒業する時はソロ曲をいただくじゃないですか。それを断った人間ですよ(笑)。それくらい苦手意識があるので…。今回はどうなるんでしょうね?  ——今回の作品に臨むにあたって、楽しみにしていることはありますか? 生駒:松岡さんをはじめ、みなさん名俳優さんばかりなので、吸収できる部分が多いんだろうなと思っていて。みなさんの演じている様子を見て、言葉の出し方などどういうふうにやっているのか、隅々まで研究していきたいなっていう気持ちでいっぱいです。 あとは、今回はいろいろな地域にお邪魔するので、たくさんの方に生のミタゾノを観ていただくことも楽しみですし、個人的にはその地域の神社めぐりをしてみたいなと思っています。今年は巳年なので、ヘビを祀っている神社を調べてみようかなと。 ——生駒さんは、近年舞台へ精力的に出演されていますが、生駒さんにとって「舞台」とはどんな存在ですか? 生駒:一番安心できる場所です。私はアイドル活動が長かったので、自分の中で納得しないまま出なきゃいけない瞬間も多かったんです。でも舞台って最低限一ヵ月稽古があって。初日までにちゃんと自分の中で納得させて、練習して、舞台に上がれるという保証がある。仕事としてちゃんとお客様に面白いものを届けることができるっていうのが自分の中で明確に見えやすいのが舞台なんです。時間がないから、いろんな制約があるから、って妥協して作ってそれが面白いというよりも、自分が納得してここまで作ったんだっていう保証があるのが、自分の性格的にも舞台が一番わかりやすいですし、一番性格に合っているのが舞台の作り方なんだと思います。 ——舞台がご自身に合っていると気付かれたのは? 生駒:乃木坂46を卒業するきっかけの1つが舞台でもあったので、20歳くらいですかね。「あぁ、私はちゃんと練習したらできるんだな」「できない印象のほうが自分の中で大きかったけど、もうちょっといつもより時間をかけて突き詰めて練習すれば、なんだ、できるんじゃん! それができなかっただけなんだ」というのがわかってちょっと安心したんですよね。少年社中さんの舞台だったのですが、そのおかげで今の人生があるので、舞台は特別ですね。毎日のお客様からの反応や拍手が唯一の安心できる瞬間なので、やる気につながります。 ——生駒さんの舞台への熱い思いが伝わってきます。 生駒:衣食住は生きるために必要だけれど、舞台にしろドラマにしろエンターテイメントはあくまでも娯楽じゃないですか。なのに、わざわざお金を払ってくださるのだから、その価値を作らなきゃっていうのが自分の中のモットーです。 ◆20代は、30代に花開くための準備期間 ——昨年12月に29歳を迎えられ、20代最後の年となりました。 生駒:早く30歳になりたいです。私は20代はいらないタイプというか、20代はあまり面白くなかったですね。これから30歳以降に自分が花開くための準備期間にすぎなかったんだなって。30過ぎてからのほうがプライベートも仕事も花開くんだっていうのはわかっているので、20代はその準備にすぎないというか。必要な人との出会いとか、そういう楽しみはあるんですが…。 ——そう思われるようになったのはいつ頃ですか? 生駒:25歳を過ぎてからですかね。残酷なもので、24歳を過ぎると制服の役とか若い役も少なくなって。30を過ぎないと視聴者の方が共感するような役を演じきれないなと感じていて、俳優業でもっと活躍できるのが30代だと思っているんですね。それが自分の人生の楽しみにつながっていくので、そこが楽しめる30代にできるようにしたいと思っています。 ——ついついいつまでも“生駒ちゃん”と呼んでしまうのですが…。 生駒:“生駒ちゃん”でいいです。ただ16歳のころの“生駒ちゃん”のイメージではまったくないので、「違う」とは思っていただいてもいいですが、本人には言わないでほしいです。人は永遠に若いわけじゃないですし、私に限らず、「あれ?こう思っていたけど違うな」っていうのは当たり前のことなので。 ——先ほど「お金を払ってくださるのだから…」というお話もありましたが、お仕事に対して真面目に真摯に取り組まれるのは昔からですか? 生駒:割とありました。どんどん大人になるにつれて、そこを真面目に考えずにあぐらをかいている人が許せなくなりました。エンターテイメントっていうちょっと特殊な仕事をしているんだったら、誰よりも苦しんで、努力して、お客様が嫌なことがあったとしてもその時間だけは幸せにしなきゃいけないっていう責任があると思うんです。全員がそういう思いでやっていると思っていたんですが、必ずしもそうではないのが現実で。だったら、この考え方は間違ってない、この考えが普通になるところまで浸透させたいって思いますね。 最近、「生駒ちゃんの考え方、俺も一緒」「私も一緒」っていう仲間にやっと出会えたので、諦めないでよかったなって安心しました。その人たちとまた共演できたらいいなではなくて、共演できる場所を作っていいものを世の中に出していこうと、また段階が変わって考えられるようになったのも、めちゃくちゃうれしいです。 ——アイドルにスキャンダルが起こった時に、よく生駒さんの言葉がSNSで持ち出されますが…。 生駒:あぁ、そうですね(苦笑)。その時の私とはまた考え方とかは違っていますが、根本的なところは変わってない、変わってなさすぎますね。 ——グループを卒業してソロになって、変わったところはありますか? 生駒:責任が自分だけにしかないっていうのは楽になりました。 ——お仕事中心の毎日のようですが、プライベートで楽しみにしていることはありますか? 生駒:先輩と前よりもご飯に行く機会は増えましたが、これをするとホッとするというのはなくて。私は仕事がしたいなって思うんですよね。空いた時間に実家へ帰ったり、ゆっくり寝るとか、そのくらいですね。あとはサウナに行くとか…。でもそういう毎日も苦じゃないんですよね。 ——今回の舞台で生駒さんのここを観てほしい!という点を教えてください。 生駒:自分じゃなくて役を観てほしいです。自分を観てもらうのはすごく苦手で。役とこの作品をいかに面白いと思ってもらえるようにするかが、自分の使命というか。今回の作品では、周りはほぼはじめましての方ばかりなので、そういう方たちのいいところをいっぱい吸収できるように、『家政夫のミタゾノ』という作品に臨みたいと思います。観てくださった方が後で調べて、「あの家政婦、生駒里奈だったんだ!」って思ってもらえたらうれしいですね。 (取材・文:渡那拳 写真:上野留加)  舞台『家政夫のミタゾノ THE STAGE レ・ミゼラ風呂』は、東京・EXシアター六本木にて5月16日〜6月8日、大阪・森ノ宮ピロティホールにて6月13〜17日、石川・七尾市文化ホールにて6月21・22日、愛知・東海市芸術劇場大ホールにて6月28・29日、広島・上野学園ホールにて7月5・6日、宮城・名取市文化会館 大ホールにて7月12・13日上演。

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