10代の女性を連れ去ったとして、福島市の36歳の男が逮捕されました。女性はその後、死亡していて、警察は男が女性の死亡について事情を知っているとみて捜査しています。 　　　◇ 当時小学6年生の岸波弘樹容疑者。卒業アルバムに記した好きな言葉は「がんばろう　最後まで」。いいところは「ものしりで、やさしい所」。 36歳となった岸波容疑者は今年に入り4回、逮捕されました。岸波容疑者と被害者らとの間に、何があったのでしょうか？ 　　　◇ 山形県上山市内の山間部で去年9月下旬、山形県内に住む10代の女性の遺体が見つかった事件。13日、未成年者誘拐の疑いで福島市の無職・岸波弘樹容疑者（36）が逮捕されました。 去年6月頃から、SNSで女性とやりとりをしていたという岸波容疑者。去年9月上旬に女性を誘い出し、山形市内で車に乗せて連れ去った疑いがもたれています。 そして去年9月下旬、遺体で発見された女性。捜査関係者によると、遺体はテントの中で白骨化した状態だったということです。 遺体の発見から7か月以上たち、浮上した男の関与。 実は岸波容疑者は、これまでにも未成年者誘拐や自殺を手助けしたなどとして複数回、逮捕・起訴されていました。 最初の逮捕は今年1月、福島県田村市で発生した事件です。岸波容疑者は、福島県いわき市に住む20代の女性が自殺するのを手助けした疑いで逮捕されました。 2回目は去年5月以降、福島県喜多方市で起きた事件。宮城県に住む20代の男性と埼玉県に住む10代の男性に対する自殺ほう助などの疑いがもたれています。 これらの事件で、被害者らと岸波容疑者をつなげたのがSNSです。岸波容疑者は、被害者らに対し…。 岸波弘樹容疑者（36） 「自殺を手助けする」 このように接触していたといいます。 20代の女性が死亡した事件では、岸波容疑者がその後、この女性のキャッシュカードを使って、ATMから現金16万円を引き出したとして窃盗の罪でも起訴されています。 そして、3回目の逮捕は去年7月の事件です。岸波容疑者は、福島県内に住む10代の女性を車で連れ回すなどし、喜多方市内の山中でわいせつな行為をした上、自殺を手助けしようとした疑いで逮捕されました。 このとき女性は現場で自殺を思いとどまり、その後、警察に届け出ていました。 このときも岸波容疑者はSNSで…。 岸波弘樹容疑者（36） 「一緒に自殺しませんか？」 このように投稿していたとみられています。 また捜査関係者によると、事件後に岸波容疑者は女性にSNSでのやりとりを消すよう指示。事件の発覚を免れるためでしょうか。 そして13日、山形県内で起きた事件で逮捕された岸波容疑者。 これまでに起きた事件の捜査の過程で、今回の事件への関与も浮上していました。捜査関係者によると、いずれの現場でも練炭が見つかっています。 記者 「福島駅から10分ほどのアパートに容疑者は住んでいた」 岸波容疑者の未成年者誘拐容疑に対する認否について、警察は明らかにしていません。警察は女性の死亡についても事情を知っているとみて捜査しています。 　　　◇ 神奈川県警で捜査1課長を務めた鳴海達之氏は…。 元神奈川県警　捜査1課長　鳴海達之氏 「精神的に不安定になっている人の気持ちに乗じて、人をだましながら自分の目的を達成しようとする。こういう者も多分にいる。人の命を軽く見ている、悪質極まりない犯行だと思う」 　　　◇ いま、つらさや生きづらさを感じているという方には、電話や「LINE」で相談できるところもあります。誰かに話すことで、楽になることもあります。相談してみてください。 ●こころの健康相談統一ダイヤル 　0570-064-556 ●LINE友だち追加 「生きづらびっと」 「こころのほっとチャット」