【第8回】森口将之の『もびり亭』にようこそ:スカイライナーに乗っていちご狩りへ

混雑時の最適解は『レール&カーシェア』 大型連休を使ってお出かけしたという人も多いでしょう。渋滞に長い時間はまって大変だったというドライバーもいると思います。では渋滞を避けつつ、クルマで目的地に行く方法はあるのでしょうか? あります! 僕が何度も使っている『レール&カーシェア』がそれです。 今回、カーシェアでトヨタ・シエンタを利用。いろいろなモデルを試せるのもカーシェアの魅力。 森口将之 僕は以前から、大型連休を含めた遠出のとき、多くの人がクルマにするか公共交通にするかという二者択一になることが気になっていました。 クルマにはドアtoドアの魅力があります。自宅から目的地まで乗り換えなしでダイレクトに行けることは、移動するうえで外せない長所です。しかし渋滞になれば、通常1時間で済む距離に2〜3時間も要してしまうことがあります。 鉄道はその逆で、とくに日本のそれは定時性では最高レベルですが、自宅から目的地まで鉄道だけで直接行けることはほとんどありません。多くの場合、自転車やバスなどの二次交通が必要になるでしょう。 だったらそれぞれの長所を発揮できるパートを切り取って組み合わせればいいのです。北海道旅行のとき、飛行機とレンタカーを組み合わせる人は多いでしょう。あれをスケールダウンしたような感じです。 レンタカーではなくカーシェアリングを選ぶのは、15分単位で借りる時間が設定できること、借り出しも返却も無人なので対人による時間のロスがないこと、返却時の給油が不要であることなど、せいぜい2〜3時間の移動には最適だからです。 ちなみに自宅側は、東京23区内で公共交通に恵まれているためもありますが、最寄駅から徒歩5分ぐらいなので、移動手段を考える必要はありません。 クルマが好きだからこそ、クルマに乗らない理由 もちろん僕もクルマ好きのひとりなので、自分が好きで選んだ愛車で移動したいという気持ちはあります。でもドライブが気持ちいいのは、クルマがスムーズに流れているときだけではないでしょうか。 それに、たとえ日本車の新車でも、長時間のノロノロ運転は、エンジンやトランスミッションに負担を掛けていることは確実です。趣味的なクルマを所有している人なら、自分だけでなく愛車にも辛い思いをさせたくないと思うはず。 速さ、快適性、時間の確実さは日本の鉄道の魅力。写真は京成電鉄の特急スカイライナー。 森口将之 しかも最近は渋滞予測がきめ細かくなってきて、大型連休のときなどは、渋滞箇所や距離が事前にある程度分かっています。なんでそこに、わざわざ突っ込んでいかなきゃいけないの? と思うのです。 赤ちゃんやお年寄りがいる家はクルマがないと難しいかもしれません。でも我が家はそうではないので、そういう家族のために道路を少しでも空けたほうがいいという気持ちもあります。 カーシェアの事業者はいくつかありますが、僕が使っているのはコインパーキングでおなじみのパーク24が運営する『タイムズカー』です。理由はステーション数、車両台数ともに約8割という圧倒的なシェアで、地方にもステーションが豊富にあるうえに、駐車場運営が本業なので、駅の近くのステーションが多いことです。 ちなみに冒頭で使ったレール&カーシェアという言葉は、タイムズカーが使い始めた公共交通との連携サービスのフレーズを拝借したものです。現在はいくつかの交通系ICカードとの連携で、運賃の割引を実施したりしています。 夏の旅行に、新たな移動の選択肢を 我が家は大型連休でいちご狩りに行くことが恒例になっていて、今年はあのJALが成田空港の近くで運営する農園を選びました。行きは速さを重視して京成電鉄のスカイライナーに乗車。スーツケースを持った外国人に混じって成田空港に向かいました。 空港なのでカーシェアの車両は豊富。タイムズカーは事前に車種も選べるので、今回は乗る機会のなかったトヨタ・シエンタを選びました。15分ほど走って農園に到着。いちごをたらふく食べたあと、空港の反対側にある航空科学博物館に向かいました。 成田山新勝寺の表参道は、一部を除き車両通行止めなので、ゆったり散策できる。 森口将之 ここは国際空港の脇にあるので、屋内外の展示のほか、展望台から離着陸する飛行機を拝めることもポイント。今回は運良くエアバスA380の離陸シーンを見ることができました。 その後は成田山新勝寺に向かうため、成田空港でカーシェアの車両を返し、普通電車で京成成田駅に向かいます。鉄道にくわしい人ならお分かりだと思いますが、スカイライナーは京成成田駅を通らないので、このようなルートにしました。 駅前から続く表参道は一部を除き車両通行止め。おかげでゆったり散策を楽しめました。新勝寺の参拝後には、名物のうなぎを堪能することもできました。 帰りは京成電鉄ではなくJR東日本の快速を使いました。スカイライナーより時間はかかりますが、乗り換え回数が少ないうえに、グリーン車に乗れば快適性もさほど変わりません。 クルマで移動するときも、少し遠回りだけれど渋滞の少ない道路を選んで走ることはありますが、鉄道でも似たような選択ができるのです。 あと3ヵ月もすると、今度は夏休みの旅行シーズンがやってきます。そのときのために、今よりも少し広い視野で、移動の選択肢を考えてみてはいかがでしょうか。

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