植物が行う「光合成」を人工的に行うことで、地球温暖化の原因となる二酸化炭素を資源に変える技術、「人工光合成」の実用化を進める検討会が始まりました。 「まさに“日本版のアポロ計画”と言っても過言ではない」 浅尾環境相は13日、初回会合の冒頭挨拶でこう力を込めました。「人工光合成」の研究では、日本が世界をリードしてきたものの、いまだ実用化にはいたっていません。浅尾環境相は就任時から、アメリカの「アポロ計画」のような“国家プロジェクト”として実用化に取り組みたいと意気込んでいました。 植物は太陽光を利用して、二酸化炭素を吸収し、エネルギーを作り出す「光合成」をしていますが、「人工光合成」では、太陽光を光触媒にあてて水を水素と酸素に分解します。水素はそのまま燃料にしてエネルギーを引き出したり、水素と二酸化炭素から化学品を合成したりします。 二酸化炭素を資源として活用することで、温暖化の原因となる二酸化炭素の排出削減にもつながる“夢の技術”と期待されています。しかし、効率よく大量の水素を取り出すのは難しく、コスト面などでも課題が指摘されています。 検討会には、人工光合成研究の第一人者らが参加していて、現状や課題を整理した上で、今年秋ごろをめどに、社会実装に向けたロードマップを策定するということです。
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