サッカー・明治安田J1リーグ。アルビレックス新潟は5月11日、ホームで浦和レッズと対戦。先制しながらまたしても追いつかれる展開となりましたが、大卒2年目、奥村仁選手の献身的なプレーに注目しました。キーワードは“犠牲のランニング”です。 （リポート） 「リーグ戦では、2006年以来勝利のない鬼門の浦和戦を突破し、今季ホーム初勝利なるでしょうか」 前節から先発を5人入れ替えた新潟。奥村は5試合連続の先発。この日も、左サイドハーフに入ります。 前半6分。さっそく、その奥村がドリブルで仕掛けると、こぼれ球を拾い、星がミドルシュート！立ち上がりからチャンスを作ります。 前半は新潟ペースで試合を進めるも、得点にはつながりません。 それでも、少しでもチャンスを作るためボールを受けられずとも、走り続けるのが、奥村でした。 〈アルビレックス新潟　奥村仁選手〉 「自分が走ることによってスペースがどんどん空いてくると思うので、そういう”犠牲のランニング”を誰かがしないと」 奥村が口にした“犠牲のランニング”。それが、さきほどのシーン。相手が奥村の走りにつられ、空いたスペースで長谷川がボールを受けました。味方のためにスペースを作る“犠牲のランニング”によってチャンスをうかがいます。 0対0で折り返した後半立ち上がり。相手に押されるシーンも奥村が長い距離を走って、今度は守備で貢献。ピンチの芽を摘みます。 そして、後半23分でした。ダニーロから一度戻したパスを藤原がクロス。そこに、奥村が飛び込んだ！今度は中央に走り込み、頭で合わせました。 その6分後、試合が動きます。ダニーロからパスを受けた藤原が縦に仕掛けて、クロス！小見のシュートは弾かれますが、こぼれ球に詰めたのは長谷川元希！チームトップの今季5ゴール目、新潟が先制します。 実はこのシーンもクロスに先に反応したのは、奥村。“犠牲のランニング”を意識しながらチャンスには幾度となく顔を出し、チームのゴールにつながりました。 追加点が欲しい新潟は後半32分、橋本のフリーキックからゲリアのヘディング！これは相手キーパーの好セーブに阻まれます。 するとその直後。去年まで新潟に在籍した長倉に決められ失点。 またしても追いつかれる展開で今季ホーム8試合、未だ勝ち星なし。それでも大卒2年目、奥村の成長がチームの起爆剤になることに期待です。 〈アルビレックス新潟　奥村仁選手〉 「ホームでなかなか勝てていない状況が続いていて、勝ちを届けたかったですけどでも次にすぐ試合は来るので、そこに向けて全員で練習から集中してやっていきたい」 〈アルビレックス新潟　樹森大介監督〉 Q）奥村の評価は？ 「彼はここ数試合、結果という形で表現してくれてましたし、彼の特徴である最後のところの仕掛け。きょうの得点は逆の藤原奏哉の方でしたけど、選手が成功体験を得る中で、最後の仕掛けというところ、個のチャレンジもしっかり出ているので、これは継続して良い循環になっていると思います」 新潟の次の試合は18日、アウェーで岡山と対戦します。