さまぁ〜ずの大竹一樹さんとの結婚後、母として、妻として、そして一人の女性として、感じたこと、考えたことを、フリーアナウンサー中村仁美さんならではの目線で綴るFRaU Web連載「騒がしくも愛おしい日々」(隔月更新)。 本日5月11日は「母の日」。 日々成長していく子供達を見ながら、“自分が母になった日”のことを振り返る方も多いかもしれません。そんななか、中村さんは子育て14年目にして「最近、三兄弟が可愛くて仕方ない」といいます。 子供達がまだまだ幼かった時を振り返り、今やっと受け入れられるようになったことや自身の変化、また子供たちの成長に対して夫・大竹さんから思わず飛び出した反応などについて綴ってくださいました。 三兄弟の“可愛さ”にどっぷりと浸る日々 突然ですが、最近、三兄弟が可愛くて仕方ないのです。 4月から中2、小4、年長。 傍から見たら、可愛い! と言える年齢ではすでにないのかもしれません。 スーパーで息子達を連れて買い物をしていると、知らない方から「おいくつ? 今が一番可愛いときね」なんて、お声がけを頂いた“あの年齢”はとっくに過ぎ去りました。 生まれたその日から、勿論毎日可愛いと思ってきましたが、でもなぜか、ここにきてこれまで以上にグッと可愛いと思えるようになったのです。 携帯電話のアルバム機能で突如現れる、小さな頃の息子達の写真は、それはそれは可愛くて、ニコニコしながら眺めてしまう、一方で 「家にこんなに可愛い子がいたなんて! 当時の私といったら……ああ、もったいない!」 そう、当時、この“可愛さ”にどっぷりと浸れていたかと言うと、その余裕はなく、何が大変だったのか、今となっては明確に思い出せないのですが、“可愛い”と同じくらい“大変”が心に同居していました。 特に、三男が産まれてからは、毎日怒涛の日々。 夕方から夜にかけて、1日の疲労とともに、夕食の準備や学校からのお手紙と宿題の確認、明日の準備の促しなど、寝かせるまでタイムレースのようにバタバタ。 合間に三男のお世話をはさみつつ、言う事を聞かない、時に打つ手がないな、と思わせるような息子達の癇癪にイライラし、誰かが泣いて、誰かが叫び、こちらの感情も爆発。 よ〜く大きな声で三兄弟の誰かしらを叱っていました。 当時の私は受け入れられなかった “今”思えば、 その頃の年齢だったらできなくて当然。 我儘を言って当然。 癇癪をおこして当然。 泣いて当然なんです。 外でそれなりにちゃんとしているなら、寧ろ、家で聞き分けが良いと、ちょっと心配になってしまいます。 外で頑張っている分、家では解放する。 それは、家が安心できる場所だから。 彼らは、正常な反応なんだ。 と、“今”なら受け入れることができるのですが、当時の私はそうではありませんでした。 なんで言われて、すぐやらないの? 見て! ママ今大変なの! 私の声かけも“ダメな叱り方のお手本”のようですし、私の決めたスケジュールに合わせて息子達を動かそうと必死で、勝手にイライラする。 今更ですが、長男、次男には申し訳なかったと感じています。 当時の私には、立ち止まり、深呼吸しながら、周囲を見渡す余裕はありませんでした。 見て! 家にこんなに可愛い子たちが3人もいるの! みんなあどけなくて、甘えん坊で。 お皿洗いなんて後でいいから、今しかない、この可愛さを、存分に堪能して! あの頃の私に教えてあげたい。 そして、あの頃の息子達をギューギューと抱きしめて、いっぱいいっぱい頭をなでて、すごいね! やったね! かっこいいね! と、言いたいなあ。 もう一度、あの頃の息子達に……会いたい。 子育て14年目にして“可愛い”の割合が増えてきた 今、息子達がこの歳になり、自分で出来ることが増え、私の自分時間も少しずつ取れるようになりました。 三兄弟、三者三様の得意不得意があって、それぞれ違った人生を歩むんだなあ、と彼らを見ていると思います。 子供が増えるごとに“まあいいや”と、進むズボラ化には罪悪感が日に日になくなってきました。 そんな変化が幾重にも重なって、“可愛い”と“大変”の心のバランスが徐々に変化し、“可愛い”の割合が増えてきたのかもしれません。 子育て14年目。やっと、です。 ということで、まだギリギリ“可愛い年齢”の3人目は、可愛がりすぎ! というほどみんなで可愛がっています。 朝起きて、「おはよー! 可愛い」「一生懸命書いたの? 可愛い」「ブーって顔して怒ってるの? 可愛い」 寝る前には、ベッドの中で三男が 「ぼくはね、ママの隣って決めてるんだ〜」 もうずるいくらい、可愛いのです。 こんなに“可愛い”と言われて育つ子は、将来どんな大人になるのか? そして、成長していく“可愛い年齢”ではない長男と次男も。 家を出る時、帰宅した時、寝る時、廊下ですれ違う時……事あるごとにハグをしたくなります。 次男は、急に抱き着いてくることがあり、三男の手前、我慢していたのかな? と思うと、それがまた切なくて、愛おしい。 中間子、人一倍、周りの空気を読んで、弟でもあり、お兄ちゃんでもあり、私には分かり得ない、大変な立ち位置で生きています。寝る前は、必ず次男から抱きしめ、彼が離れていくまで“次男タイム”にしました。 そんな彼の斜め上からの物事の解釈には、日々笑わされ癒されています。 長男の“ある変化”に夫が思わず大声で反応! 長男は、ニキビを気にして鏡を覗き込み、身長はいよいよ私との差は5cm程になりました。 さらに、あれ? なんだか声が出しづらそう。 もしや、そうか! 今なのね! 今、丁度その時なのね。 と、気がつかないふりをし、でもしっかりその変化を心に焼き付けていたら、次男が「あれ? お前そんな声だっけ?」と、(まず、兄を“お前”と呼ぶのをやめなさい)何の躊躇もなく長男に発し、挙句の果てには、 私が長男とテレビ電話をしているのを覗き込んできた夫が「おい! 完全に声変わりしてんじゃねえか!」と、大声で叫ぶ……。 当の長男は気にも留めていない様子だったので、安心しましたが。 あのほっぺたが落ちそうなくらいぷくぷくで人見知りだった子が、成長期だって! そんな長男が、また愛おしいのです。 加えて、長男が大人のあれこれが分かりだし、例えば、私と夫が言い合いをしている時や、夫の極度の心配性からくる細かい言動に、言葉にはせずとも、(お父さん、まただね)と、目配せをしてくることがあります。 ああ、分かってくれている人がいる、と思えることも、心の余裕が生まれる1つの要因かもしれません。 やっと“可愛い”が“大変”を上回り始めた今日この頃。 もう後悔をしないように、今この“可愛い”にもっと浸らなければ。 子育ては長いようでとても短い。 だって長男はあと4年で成人です。 早すぎる!!! とは言え…… 決して毎日が穏やかなわけではなく、相変わらず騒がしく、子供たちを大きな声で叱る日々は変わっていない、という事は正直にお伝えしておきます。 ★次回の更新は7月。お楽しみに! 子供のひと言で自己嫌悪…中村仁美が世間の「母の日エピソード」にモヤモヤした理由