福岡県田川市で２０２４年４月、市立中３年の男子生徒が自殺した問題で、市教育委員会は９日、「同級生のいじめなどで精神的に追い詰められ、命を絶った」とする第三者委員会の調査結果を発表した。 市教委や学校が組織的な対応を取らなかった問題点も指摘された。 調査結果によると、生徒は２３年６月以降、複数の同級生から「くさい」と言われるようになって孤立。家族が担任に改善を求めたが、担任は「からかい」と判断し、同級生を指導するにとどまった。 生徒の欠席日数は２４年１月、いじめ防止対策推進法が重大事態の目安とする「年３０日」を超えたが、理由は「いじめを除く友人関係」とされ、市教委や学校は必要な調査をしなかった。生徒は同年４月５日に自殺。当時の校長はその後の調査で状況を把握したという。 同校では２３年度、全校生徒の１割超の８５人が不登校となっており、第三者委は「不登校の生徒全員を網羅できておらず、組織として十分に機能していない状況だった」と指摘した。 市教委は昨年５月に第三者委を設置し、対応を検証してきた。記者会見した小林清教育長は「問題点を改善し、再発防止に努める」と陳謝した。
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