第二次世界大戦終結から80年。関連書籍の刊行が相次ぐ中、第二次大戦の全期間にわたり活躍したドイツ空軍の双発重戦闘機メッサーシュミットBf110の写真350枚（未発表多数）を収録した『ドイツ重戦闘機Bf110＆Me210／410戦場写真集』(潮書房光人新社)が話題になっている。 時速500キロを超える高速、強力な20ミリ機関砲と7.9ミリ機関銃の重武装、1000キロを超える航続距離ーー。迎撃、偵察、爆撃、とくに夜間戦闘機として戦果をあげた万能戦闘機の写真集の中から、トップ・エースの肖像を一部抜粋・再構成してお届けする。 不利な環境下で強敵スピットファイアを8機撃墜 ダイムラー・ベンツDB601系液冷エンジン（最高速度545キロを記録）2基を搭載して高速で飛行したBf110。長時間敵機を待ち受け大戦後期には夜間戦闘機として戦果を挙げエース・パイロットを多数輩出した。 その一人が、凄腕のトップ・エース、ハンス＝ヨアヒム・ヤープス中尉（のち中佐）だ。 ヤープス中尉は1940年5月から9月までのフランス戦と対英航空戦で、Bf110に搭乗して旋回戦闘を主戦術とする英国の対単座戦闘機に不利な中で、昼間戦闘において強敵スピットファイアを8機、ハリケーン5機のほかにフランス戦闘機など18機を撃墜。1940年10月に騎士鉄十字章（二級鉄十字章は5月15日、一級鉄十字章は5月28日）を受章した。 710回出撃、50機撃墜のトップ・エース ヤープスは1941年10月に夜間戦闘機への転換教育後にハンブルグの第3夜間戦闘航空団9中隊を率いて、翌年2月の主要なドイツ海軍艦艇の英仏海峡脱出作戦（ツェルベロス作戦）時の上空護衛任務についた。 その後、同年6月にスターリング爆撃機、7月にウェリントン爆撃機を撃墜したとされる。11月に第1夜間戦闘航空団�飛行隊11中隊に移動（大尉）。2年後の44年1月までに夜間迎撃戦で28機を撃墜し、同年3月に少佐で第�飛行隊長となり柏葉騎士鉄十字章を受章した。 大戦末期の44年末に第1夜間戦闘航空団司令（最終階級中佐）となるが、710回の出撃で50機撃墜のBf110によるトップ・エースであり、幸いにも大戦を生き残ることができた。 【軍事】ドイツ帝国が「海軍大国」に“大躍進”してから、第二次大戦「ヒトラーの自殺」で“海軍事実上消滅”までの「数奇すぎる運命」…！