「彩咲陽が言うには、白井は同じ家に住んでいるのに母親とLINEで会話していたそうです。甘やかされすぎて、歪んだ人間性が育ってしまったんじゃないか」──怒りに震えながらそう語るのは、元交際相手の自宅で遺体となって見つかった岡崎彩咲陽さん(あさひ・20)の親族だ。 【写真】「ガタガタ音が…」「押し入れ開けた?」白井秀征容疑者(27)と母親の生々しいメッセージのやり取り 川崎市川崎区の一軒家から遺体が見つかったのは4月30日夜。神奈川県警は司法解剖の結果、遺体を昨年12月から行方不明になっていた岡崎さんと断定し、5月3日にはこの家の住人である白井秀征容疑者(27)を死体遺棄容疑で逮捕した。 ふたりの出会いは一年ほど前のことだった。 「付き合い始めたのは去年の4月ごろ。彩咲陽はうちのスナックの手伝いをしていたんだけど、その少し前に白井が、当時勤めていたとび職の仕事関係者らと遊びにきたんです。彼はえらく彩咲陽を気に入ったようで、個人的に連絡先を交換して交際を始めたみたいです。 会社の人と飲みにきていたときは、特に粗相もせず、たんたんと麦焼酎を飲んでたまにラップをカラオケで歌うくらいで……。特におかしいとは思わなかった。店内で彩咲陽に積極的にアプローチしていたわけでもないしね」(岡崎さんの親族) しかしこの親族は、ある違和感ももったという。 「付き合う前後、何度か店に来たんですが、白井が彩咲陽に向ける視線が不気味だったというか……。ほかの年配の男性客とかと少しでも話そうもんなら、それをいつも疎ましそうにジトーッと見つめるような感じでした。ヤキモチだったんですかね。だから私はなるべく、彩咲陽を男性客にはつけないようにしていたんです。ほかのお客さんに迷惑がかかるといけないから」 白井容疑者の人間性 白井容疑者は1997年生まれ。岡崎さんと同じ川崎市内で育った。小学生時代に同級生だった男性が口を開く。 「ヤンチャではありましたね。5〜6年生のときに先生と揉み合ったり、同級生にけがをさせたりしていたのは覚えています。それが、いつも特に理由はなかったみたいなんです。かんしゃく持ちだったのか、感情が爆発して先生を困らせることがあったんですよね。でも、根っから悪いやつという感じでもなく、普段は声も小さいおとなしい子でした」 男は小学校を卒業後、区内の市立中学校に通い始めたが、その人となりも少しずつ変わっていったようだ。別の同級生がこう話す。 「中学生になると、別の学区からきた悪い連中とつるむようになりました。学校は通っていたんですけど、授業中に先生にたてついたりして、“イキりヤンキー”みたいな感じになってしまった。すっごい不良とかではないですね。何人かで集まって、オラついていただけ。先輩からいじめられてたこともあったくらいですから。気は小さいやつなんだなと思っていたんですけど、まさかあんな事件を起こすとは……」 男については他の同級生も「気が弱く、無口で大人しい」「印象が薄い」と口を揃えるが、家庭内ではどんな人間だったのか。前出の親族は「相当、甘やかされたボンボン」と表現した。 「生まれはアメリカで、両親が離婚するまではあっち過ごしていたと聞いています。お兄さん2人とお姉さんがいるそうだけど、本人だけ英語が喋れないみたい。彩咲陽が言うには、白井は同じ家に住んでいるのに母親とはLINEでやりとりしていたそうで、親子の直接の会話はなかったみたいです。実家に厄介になっている時期も、親は部屋に一歩も入ることを許されなかったみたい。成人した後も反抗期が続いているような感じで、母親もそれに逆らえなかったって。 そんな息子にも、親はお金を与えていた。彩咲陽も『テーブルに10万円置いていきます』と、白井が母親からLINEをもらったのを見たことがあると話していました。私からすれば、あいつは甘やかされすぎて歪んだ人間性が育ってしまった、そう思えて仕方ありません」 白井容疑者は“愛情”によって歪んだのだろうか。岡崎さんの遺族や友人は、一刻も早い事件の真相究明を待ち望んでいる。