斬新「前“1ドア”スポーツカー」実車公開! 全高わずか84cm“極薄ボディ”×1.6リッターV4エンジン搭載! “奇跡の来日”果たした「ストラトスゼロ」がスゴかった!

日本ではもう「2度と逢えない」!? 超希少な「スーパーカー」が幕張に登場  世界的なレベルの希少車から、ワンオフで製作されたコンセプトカーまで集まる「オートモビル カウンシル」。主催者がテーマに沿って集めた展示のみならず、出典ブース単位も驚異的なクルマを持ち込むことでも知られます。  2025年4月11日から13日に幕張メッセ(千葉市美浜区)で開催された「オートモビル カウンシル2025」では、「THE CLASSIC CAR CLUB OF JAPAN(CCCJ)」がランチア「ストラトスゼロ」の展示を行い、多くの来場者が感激・感嘆していました。 斬新ボディが凄すぎた! ベルトーネ「ストラトスHFゼロ」[「オートモビルカウンシル2025」出展モデル] 【画像】超カッコいい! これが斬新「前“1ドア”」の「スポーツカー」です! 画像で見る(30枚以上)  1970年のトリノショーで発表されたストラトスゼロは、当時想像された近未来的な意匠の内外装が特徴です。 「ストラトス」の車名は「成層圏」から採られたと言われており、まさに成層圏から飛来した宇宙船のようなスタイルを有します。  ストラトスゼロのデザインを手がけたのは、当時マルチェロ・ガンディーニ氏がチーフデザイナーを務めていたイタリアのカロッツェリア「ベルトーネ」です。  まず目を引くのは、全高84cmというその極端なウェッジシェイプ・デザイン。  乗降用のサイドドアは持たず、ランチアのエンブレムを押すと跳ね上がるフロントのウィンドウスクリーンを開き、ボンネットの黒いゴム部を踏んで乗降することを想定していました。  乗員は2名で、これ以上車体前方に設置できないポジションに据えられたシートに寝そべるようにして着座。  リングを巻く土星のような形状のステアリングホイールは上に跳ね上がる構造で、ドライバーはシートから生えるように置かれたステアリングポストを足で挟み込むようにして座ります。  ボディサイドにはえぐられたような造形を刻み、その中には上下分割式の窓が備わります。  そしてその造形基部には、フロントフェンダーの膨らみを利用した小ぶりの後方確認用ミラーが据えられています。  ショーカーながらも自走が可能で、エンジンとトランスミッションはFF車だったランチア「フルヴィア」用の1.6リッターV型4気筒エンジンを流用してミッドシップに搭載。  アクセスするためのフードは、なんとスリットが入った三角形という大胆な造形です。  前後の灯火類は未装着に見えますが、フロントではノーズ先端に仕込まれた10個の電球がシーケンシャル式に流れるウィンカーとヘッドライトを兼ね、リアも車体デザインに沿って84個もの電球が埋められ、こちらも方向指示器やテールライトとして機能します。  ストラトスゼロは想像よりも、もしくは写真で見るよりもはるかにコンパクトで、全長は約3.5mしかありません。  ホイールベースも約2.2mしかなく、ミッドシップスポーツカーとしては異例に短い数値です。 ラリーウェポン「ストラトス」誕生の契機を生む  ストラトスゼロは、自社のデザイン力の高さをランチアにアピールしてランチアから受注を獲得したい、と願うベルトーネの提案でした。  そして当時のランチアはラリー競技にフルヴィアで参戦していましたが、ライバルであるポルシェ「911」やアルピーヌ「A110」の台頭により苦戦、戦闘力の高い後継モデルの投入に苦慮していました。 ランチャ「ストラトス HF Gr4」WRC参戦モデル(1973)[写真は「富士モータースポーツミュージアム」特別展示車両/「マカルーゾ財団」コレクションモデル]  そんな折、ランチア・ワークスチームで指揮を務めていたチェザーレ・フィオリオは、異様なまでにコンパクトなミッドシップ車、というストラトスゼロのディメンションを見て次期ラリーマシンへのひらめきを得ます。  そして“量産型”といえる「ストラトス」が誕生。  1971年に発表・1972年から競技に投入、1974年・1975年にかけて約500台が作られ、世界ラリー選手権(WRC)で圧倒的な強さを発揮したのはご存知の通りです。  ストラトスは、スーパーカー世代のみならずクルマ好きなら胸が熱くなる名車です。  それを生む契機となったストラトスゼロもまた、世界で一台だけ作られたコンセプトカーです。  かつてはベルトーネ自身が保管していたものの、2011年に同社のコンセプトカー6台とともにオークションで売却。現在はアメリカのコレクターが個人で所有しています。  しかし2025年3月15日から16日に、奈良県の薬師寺を舞台に開催された「コンコルソ・デレガンツァ・ジャパン2025」に向けて日本に上陸。  美しい日本の風景に置かれたストラトスゼロの不思議なマッチングに、多くの人が胸を打たれました。  そのストラトスゼロがオートモビル カウンシルに来場したとあって、SNSへの投稿や現車を前にした人からは、「このクルマを見るために会場に来た」「日本で見られるなんて!」など興奮気味の感想が多く聞かれました。 ※ ※ ※  登場から55年が過ぎてもなお、その鮮烈さと斬新さが色あせないストラトスゼロ。  博物館などで常設展示されていないこともあり、2度と日本の土を踏まない可能性もあります。  このような「世界の宝」といえる貴重なクルマが見られるのも、オートモビル カウンシルの良さと言えるでしょう。

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