約1,600万円!? 左ハンドルのトヨタ新型「アルファードPHEV」の印象は? プラグインビジネスの覇者、台湾仕様を現地で乗った【試乗記】

プラグインビジネスの覇者、トヨタ アルファードPHEV  日本では2025年1月に発売したトヨタ新型「アルファードPHEV」。実は海外でも販売されており、そのひとつに台湾市場があります。  今回は、台湾で現地市場を試乗した様子を紹介していきます。 シンプルなインテリアには、レザーとソフトプラスチックが広く使用され、ブラックのピアノラッカートリムとローズゴールドの銅製トリムが組み合わされ、キャビンに優れた質感と洗練さをもたらしています。(画像提供:車訊網 CARNEWS) 【画像】超かっこいい! 左ハンアルファードがこれです!画像を見る!(26枚)  豪華で快適な装備に加え、2列目にはオットマン付きのファーストクラス仕様のシートを備え、6人乗り・7人乗りの乗車機能まで有する「アルファード」は、近年、経営者や企業に最も好まれてきた車種のひとつであり、高級ビジネスカー市場での販売の覇者となっています。  そしてこのたび、2025年モデルの登場にあわせて、プラグインハイブリッド(PHEV)モデルが新たに追加されました。  従来の豪華で充実した装備や広く快適な居住性はそのままに、EVモードでの走行距離が80km追加され、新たなパワートレインの採用によって、この高級ビジネスカーの魅力と実力はさらに高まっています。  導入されたアルファードのPHEVモデルとHEVモデルの主な違いは、PHEVが専用の3列6人乗り(2+2+2)仕様であるのに対し、HEVは7人乗り(2+2+3)仕様である点です。  また、パワートレインも異なっており、PHEVには2.5リッター(A25A-FXS)直列4気筒VVT-iEガソリンエンジン(177馬力/22.3kgm)を搭載し、前後輪には永久磁石同期モーター、高性能な18.1kWhリチウムイオン電池を組み合わせ、最大で306馬力のシステム出力を実現しています。  これは、HEVモデル(250馬力)よりも56馬力多く、さらに平均燃費はHEVの15.5km/Lに対して、PHEVでは74.1km/Lと大幅に向上。  加えて、80kmのEV走行距離も確保されており、日常の移動から長距離ドライブまで、オーナーのあらゆるニーズに対応できる仕様となっています。  エクステリアデザインにおいて、PHEVとHEVモデルはほぼ同一で、フロントは非常に迫力があり、威圧感のある大型グリルを採用。  グレー基調の格子パターンをベースに、水平のクローム加飾を施すことで質感を高めています。  さらに、デイタイムランニングライト(LED)とシーケンシャルウィンカーがグリル両側に巧みに組み込まれており、独特のテクノロジー感を演出。これにより、アルファードならではの猛々しく威厳に満ちた唯一無二の存在感が形成されています。  サイドビューでは、大きく立体感のあるパネルと豊富なキャラクターライン、そして折り目の効いた造形が特徴的。  クロームモールの加飾によって視覚的な質感が向上し、浮遊感のあるルーフデザインを演出。加えて、豪華さを際立たせる19インチのシルバーアルミホイールを装着しています。  リアデザインもまた非常に重厚で、大胆な三層構造のLEDテールランプが採用されており、煌びやかでありながら先進的な印象を与えます。  このテールランプのデザインはフロントの意匠とも調和しており、統一感のあるスタイルに仕上がっています。また、テールランプ上部には横一文字のクロームバーが配され、リアの質感をさらに引き上げています。  加えて、流行のセンター配置「ALPHARD」ロゴも採用され、シンプルながらも気品あるリアビューを完成させています。 2人乗り車の乗客は、専用の5.5インチワイヤレスタッチパネルを使用して、オーディオ/エアコン/ライト/サンシェード/シート/スマートコンフォートなどの切り替えや調整を行うことができます。(画像提供:車訊網 CARNEWS)  インテリアにおいては、Alphard PHEVとHEVモデルは共通のデザインを採用。  シンプルながら上質なセンターコンソール上部、ドアトリム、センターアームレストなどには広範囲にわたってレザーやソフトタッチ素材が使われており、黒のピアノブラック仕上げのシフト周りや、センターコンソールからドアトリムまで伸びるローズゴールド調の加飾パネルが、車内に豪華さと洗練さを演出しています。  さらに、標準装備として12.3インチのデジタルメーター、14インチのマルチメディアタッチスクリーン、Qi規格のワイヤレス充電、タッチトレース機能付きのヘッドアップディスプレイ(HUD)、そして電子制御式シフトシステムなど、先進的な装備の数々が採用されており、ドライバーズコクピット全体に強いテクノロジー感をもたらしています。  前述の装備に加えて、以下のような多彩な機能も標準装備として搭載されています。  3本スポークの多機能本革ステアリングホイール(電動調整/ヒーター機能付き)、運転席8方向・助手席4方向の電動調整機能(ベンチレーション/ヒーター付き)、4ゾーン独立式フルオートエアコン、衛星ナビゲーション、左右独立のパノラマサンルーフ、ワイヤレスApple CarPlayおよびAndroid Auto、JBLプレミアムサウンドシステム(15スピーカー付き)、後部座席用14インチ天井吊り下げモニター、電子式インナーミラー(E-Mirror)、パノラミックビューモニター(PVM)による全方位カメラシステム、両側電動スライドドア、ウェルカムエクステンション付き電動サイドステップ、電動リアゲートなどが揃っています。  さらに、運転支援機能としては、レベル2相当の「TSS 3.0」先進安全運転支援システムも搭載。  具体的には、全車速追従型アダプティブクルーズコントロール(ACC、ストップ&ゴー対応)、プリクラッシュセーフティ(PCS)、車線追従支援(LTA)、アダプティブハイビームシステム(AHS)、道路標識認識支援(RSA)、ブラインドスポットモニター(BSM)、パーキングサポートブレーキ(PKSB)、後方車両接近警報(RCTAB)、降車時安全警報(SEA)など、非常に充実した内容です。  Alphard PHEVのインテリアにおける最大の目玉は、第2列に配置された「エグゼクティブオットマンシート」です。  電動式の超ロングスライドレールとフットレスト機構を備えたこれらの独立シートには、電動リクライニングやヒーター・ベンチレーション機能が備わっており、まさに社長クラスの贅沢仕様です。  各座席には専用の5.5インチワイヤレスタッチパネルが1台ずつ付属しており、シートに設置された従来の物理ボタンを使った操作に加え、このパネルを通じて、音響、空調、照明、サンシェード、座席調整、スマートコンフォート機能など多岐にわたるシステム操作が可能です。  例えばシート操作では、シートバックや座面、レッグレストの位置調整、ベンチレーションやヒーター、マッサージ機能などが操作可能です。  また、音響操作では、天井吊り下げ式の14インチモニターが降下し、角度調整も可能。ラジオやBluetooth音楽の再生、スマホからのMiracast無線投影、さらにはHDMI経由でノートパソコンの画面を投影することもできます。  さらに、天井に設置された吸天式(天井吊り下げ型)中央コントロールパネルを使えば、物理ボタンによって左右の電動スライドドア、車両上部および側面のサンシェード、照明・読書灯のオン/オフ、さらには車内のアンビエントライトのプリセットカラー切り替えなどを操作することもできます。  そのため、利便性はもちろん、先進的なテクノロジー体験という点でも非常に魅力的な仕様となっています。  第3列シートは、5対5の分割式で、広々とした快適な2席の独立シート構成になっており、第2列シートの中央通路を通じてスムーズにアクセスできます。  さらに、両側には専用の収納スペース、USB-C充電ポート、電動サンシェード、カップホルダーなどの心配りされた装備が設けられています。  また、第3列シートには前後スライド機能および上方への折りたたみ収納機能も備わっており、シートを側面に収納することで、大きな荷物を積載する際にも柔軟に対応できます。 試乗して実感〜 330万TWD(約1,600万円)の価値は十分にある  Alphard PHEVに搭載されているプラグインハイブリッドシステムは、2.5リットル直列4気筒ガソリンエンジン(A25A-FXS型)をベースに、E-CVT無段変速機、前後モーターによるE-Four電子制御4WDシステム、そして18.1kWhの高性能リチウムイオンバッテリーで構成されています。  エンジン単体での最高出力は177馬力(hp)/22.3kgmで、フロントモーターは182hp/27.5kgm、リアモーターは54hp/12.3kgmを発揮。システム全体としての総合出力は306hpに達し、HEVモデルと比べて実に56hpもの出力向上を果たしています。  また、燃費性能も大幅に向上しており、HEVの15.5km/Lに対してPHEVは74.1km/Lという圧倒的な数値を実現。さらに、80kmのEV(電気のみ)走行距離も確保されており、日常使いはもちろん、長距離ドライブにも十分対応可能です。  加えて、ドライブモードはEV/HV/CHG/AUTO/ECOの5種類が用意されており、多様な走行シーンや好みに応じた最適なドライビング体験を提供してくれます。  これこそが、PHEVがHEVと一線を画す最大の特徴であり、優位性といえるでしょう。 PHEVモデルの走行モードは、EV/HV/CHG/AUTO/ECOを含む5つのモードから、より豊富で多様な選択を提供できます。(画像提供:車訊網 CARNEWS)  最大システム出力が306馬力に達するとはいえ、この車は全長5メートル超、車重もほぼ2.5トンに達する大型MPV(ミニバン)ですから、スポーツカーのような鋭い加速や猛烈なスピード感は期待できません。  しかし、HEVモデルと比較すると、加速のレスポンスは明らかに軽快でスムーズになっており、アクセルを強く踏み込めば、それなりに力強さも感じられます。  特に中〜高回転域での加速や追い越し時には、エンジンとモーターの両方が一体となって力強いトルクを発揮してくれるため、ストレスなくスムーズに走行できます。総じて、運転時の感覚は非常に快適で、余裕のあるドライブフィールが味わえます。  さらに、バッテリー残量が十分にある場合はEV(電気のみ)モードに切り替えることができ、静かでスムーズな電動走行の加速感と静粛性を存分に楽しめます。  電力が不足した際は、CHGボタンを押すことでエンジンを作動させ、強制的にバッテリーへ充電することも可能です。これこそがPHEVならではの面白さとも言えるでしょう。 総有効馬力 306 馬力のおかげで、スロットル加速応答全体が非常にスムーズかつ機敏で、特に上り坂で追い越ししてから加速するときは、非常にゆったりとリラックスできます。(画像提供:車訊網 CARNEWS)  Alphardは第4世代へのフルモデルチェンジに際し、トヨタのTNGA次世代モジュール構造を採用し、GA-Kプラットフォームの中でもMPV専用の設計に基づいて開発されました。  これにより、車体剛性やねじれ剛性が強化され、全体的な乗り心地と安定性が大幅に向上しています。サスペンションは従来通り、前がマクファーソンストラット式、後ろがダブルウィッシュボーン式を採用しています。  今回試乗して最も印象的だったのは、車体の剛性感とシャシーのしっかりとした造り込みです。  特にメーカーが前後サスペンションの衝撃吸収性をそれぞれ30%、15%向上させたことで、急加速や急減速を行っても車体の前後の揺れが大きく抑えられ、滑らかで落ち着いた走行が可能になっています。  乗り心地の快適性は確実に向上しており、高速道路での伸縮継ぎ目や路面の凹凸を通過した際でもサスペンションが素早くショックを吸収し、すぐに安定を取り戻してくれます。  また、ワインディングロードでのコーナリング性能についても、車高の高さやボディサイズからくるロール(横揺れ)は避けられないものの、柔らかさとしっかりとした支えを兼ね備えたサスペンションの助けにより、コーナーの進入から脱出までスムーズで安定した動きを見せてくれます。  さらに、優れたフロントの操舵応答性と、E-Four電子制御四輪駆動システムによる高いトラクション性能のおかげで、運転は非常にしやすく、予想以上に安定感のあるコーナリングが可能です。  HEVモデルが既に備えている製品特徴、たとえば、車内の高級感あふれる質感、充実した快適装備と先進的なテクノロジー、安全性を高める先進運転支援システム、そして第2列に配置されたオットマン仕様のファーストクラスシートによる快適かつ特別な乗り心地などに加え、プラグインハイブリッド(PHEV)モデルでは、よりパワフルな動力性能に加え、80kmのEV走行が可能な電動走行距離がプラスされており、まるで電気自動車のような運転体験を提供してくれます。  特に、平均燃費が驚異の74.1km/Lに達する点など、これらの特長とメリットを考えれば、十数万円高くてもPHEVモデルを選ぶ価値は十分にあると言えるでしょう。

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