５日午前１１時１５分頃、神奈川県横須賀市の京急線横須賀中央駅近くの中央大通りで、白い乗用車が対向車線にはみ出しながら、路線バスなど車に次々と衝突し、計９台が絡む事故が起きた。 ８人が軽傷を負った。横須賀署は乗用車を運転していた大阪市浪速区日本橋、自称会社員の男（３１）を道路交通法違反（酒気帯び運転）の疑いで現行犯逮捕した。 駆けつけた署員が男の呼気から、基準値の３倍近いアルコール分を検出した。同署は車にはもう一人男性が同乗していたとみて調べている。 現場は同駅前から２００メートルほどの区間で、大型連休を楽しむ買い物客や観光客らでにぎわっており、一時騒然となった。 車で信号待ちをしていた市内の女性（７１）によると、白い乗用車は路線バスに追突後、バックして黒い車にぶつかり、今度は前進してセンターラインを越え、女性の車の右前輪あたりに衝突した。女性にけがはなかったが、衝突で車の部品が飛び散り、ドアが開かなくなった。「白い車は一度も止まらなかった。一瞬の出来事で、『えっ』と思ったら逃げていた。恐ろしい」と声を震わせた。 別の女性は横断歩道を青信号で渡っていた際、猛スピードで男の車が迫ってきたといい、「『危ない』と思った瞬間、体の後ろを走り去った」と青ざめた。対向車線にいたバス運転手は、乗用車が赤信号を無視して対向車線にはみ出しながら、次々と車にぶつかるのを目撃した。路線バスにぶつかって止まったが、「最後は爆発音がした」という。 事故を目撃した福岡県内の男性（５３）は「白い車が暴走し、周りからは悲鳴が上がった。運転者は警察官に身柄を確保されたが、何か大きな声でわめいていた」と話す。事故現場近くの刃物店で働く女性（４２）によると、事故当時は居合わせた人たちが「信号無視だ！」と騒然としていたといい、「最初はテロかと思った。なぜこんな場所で」と驚いていた。
