1人の男の子が残した種がいまもつながっています。32年前、白血病で亡くなった丹後光祐くんが育てていたアサガオの種が胎内市の小学校で1年生に贈られました。 胎内小学校で行われた特別な授業。 教頭先生 「命という言葉がここにも出てますけど“命のアサガオ”という話をきょうは勉強していきます」 学校を訪れた胎内市に住む丹後まみこさん。 息子の異変に気付いた当時のことから話はじめました。 丹後まみこさん 「きょうだいげんかもしていない のに、どこもぶつけていないのに、鼻血が垂れたんですよ。お医者さんが、光祐くんは白血病の疑いがあると」 息子の光祐くん。急性リンパ性白血病と診断されました。 統合前の旧本条小学校の1年生になりましたが、学校に通うことができた期間はわずか3か月。 病と戦いながら運動会にも出場し、大好きだったかけっこに参加しました。 しかし、1993年、入院先の病院で体調を崩し息を引き取りました。まだ7歳でした。 丹後まみこさん 「光祐はそのときに私にね、自分の持っている力を精一杯出し切るっていうことがとても大事なんだよってことを教えてくれました。当たり前のことができるってとても幸せなことなんだなって」 懸命に生きた光祐くんが残したもの・・それがアサガオの種でした。 まみこさんが「光祐」と書かれた植木鉢を見つけ「ずっと育て続けよう」と心に決めたのです。そして光祐くんが亡くなった翌年から学校を訪れ、子どもたちに「命のアサガオの種」を贈っています。 この日は1年生33人、一人ずつに種が手渡されました。 児童 「命大切なんだなって思った」 「大事に育てていきたい」 丹後まみこさん 「自分の命を大切にするっていうことをまず一番に伝えたいと思います。自分の夢や目標に向かって生きていくというのが自分の人生を豊かにしてくれるので、そのことを子どもたちに伝えたいと思っています」 光祐くんの生きた証は「命のアサガオの種」を通じて、今もつながっています。 2025年5月2日「夕方ワイド新潟一番」放送より