昨年末より日本での活動を再開した知英(ジヨン)さん。韓国の伝説的人気ガールズグループ・KARAのメンバーであり、日本でもソロアーティストとして、俳優として大活躍していた。特定に俳優としては、第二言語という壁を跳ね返し、違和感のない流暢な日本語でさまざまな難役を演じ切っていたことも大きな話題となった。 日本での活動再開とともにスタートした、知英さんのインタビュー連載。今回は、その類まれな言語習得能力にフューチャーし、知英さんがいかにネイティブレベルの日本語を習得したのか、その苦労の軌跡を伺った。知英さん自身の体験談とともに、他言語を勉強中の方に参考になる習得スキルなど、幅広いお話をお届けしていく。 日本語の勉強は最初から楽しかった 「日本語を習い始めて10年以上が経ちます。でも、今でも難しいですね」 そう謙遜して語る知英さんだが、もちろんFRaUwebのこのインタビューは毎回通訳なしのオール日本語。全く違和感がないどころか、後半になると脱線話の雑談でもスタッフと盛り上がるほど。こちらも知英さんが韓国出身であることを忘れてしまうくらいの流暢さだ。 「日本語の勉強は、KARAとして活動していた17歳のときに始めたんですけど、最初から楽しかったです。身につけるまで難しかったけれど、日本語と韓国語は文法が一緒なので、英語や中国語に比べると馴染みがありましたから。 でもその頃は、どちらかというと、インタビューでよく聞かれる質問をそのまま覚えるという感じでした。だから『最近覚えた日本語は?』というフレーズなどを丸暗記して、『●●です』と答えていたんです。正直、当時は正確な意味はよく分かっていないまま(笑)。でも、そうやっているうちに少しずつ話せるようになって、意味も理解できるようになって、会話にも慣れていきました」 最高の教材だった日本のドラマ その後も、さまざまな勉強法で日本語スキルを磨いていった知英さん。繰り返し書いたり読んだりすることはもちろん、知らない単語はすぐに「それはどういう意味ですか?」とスタッフに質問したり、「この言い方で合っていますか?」と確認しながら練習したり。しかし振り返ってみて一番効果が高かったと感じているのは、日本のドラマや映画を見ることだったそう。 「よく見ていたのは、『オレンジデイズ』と『きみはペット』ですね。あと、木村拓哉さん主演の『プライド』も見ていました。ドラマを見ていると、たとえば『ご飯食べたの?』とか『どこにいたの?』といった自然な会話がたくさん出てきますよね。でもテキストでは、『〜なの?』という言い方を習ったことがなかったんです。だから『この単語ってこういう変化をするんだ!』、『こういうニュアンスで使うんだ!』と、すごく勉強になりました。 私はもともと人を観察するのが好きなのですが、語学を習い始めてからは、もっと登場人物の動きや表情をよく見るようになって。観察って学びだ!とも気づかされました」 そしてもうひとつ、その観察のおかげで気づいた印象的な言葉があるという。それは、意外にも「えっと」だ。 「ドラマを見ていると、セリフの中で『えっと』とよく言っていて。本当にいろいろなシーンで使われているから、正確な意味がいまいち分からなかったんです。ですが、見続けているうちに、だんだんと「これはつなぎの言葉であってあまり深い意味はないんだ」ということに気づきました。 韓国では会話をつなぐとき、曖昧に言うことはしなくて、『なぜなら』とか『そうしたら』とかハッキリと言葉にしてつなぎます。似たニュアンスの韓国語を探すとしたら、『ウゥーン』ですかね。でも日本語の『えっと』のような感じでは使いません。言葉における文化の違いを知って、すごく面白いと思った言葉でした」 では反対に、日本語の習得において一番苦労したことはなんだったのか。後編【流暢な日本語を話すKARA知英が、日本語を習得するうえで「一番苦労したこと」】(5月1日公開)にてお伝えする。 知英(ジヨン/Jiyoung) 1994年1月18日生まれ。韓国出身。2008年、韓国にてKARAのメンバーとしてアーティスト活動をスタートさせる。2014年夏より、日本で俳優としての活動を開始。ドラマ『地獄先生ぬ〜べ〜』『ヒガンバナ〜警視庁捜査七課』『連続ドラマW そして、生きる』、映画『暗殺教室 卒業編』『片想いスパイラル』、ミュージカル『スウィート・チャリティ』などの作品に出演。ソロアーティスト・JY としても活動。 トップス 31,900円、中に着たチューブトップ 5,500円、スカート 35,200円(すべてナイスナイス モーメント/ショールームリンクス TEL03-3401-0842) ピアス 64,900円、リング右手 27,500円、リング左手(上から) 374,000円、110,000円、85,800円(すべてエネイ/エネイ松屋銀座 TEL03-3566-2139) シューズ 参考商品(ヘンリ エン ヴァーゴhenri-en-vargo.com) 撮影/水野昭子 ヘアメイク/美樹(ThreePEACE) スタイリスト/CHAERAN KANG 取材・文/山本奈緒子 KARA知英「松田聖子さんの世界観は、山口百恵さん、中森明菜さんとは全然違うんです」