ゴールデンウィーク真っただ中の29日、北海道は季節外れの雪に見舞われました。温暖化の影響で偏西風が激しく蛇行しているため、北からの寒気が北海道に流れ込んだということです。偏西風の大蛇行は今後も続き、夏には一転、猛暑をもたらすだろうと専門家はみています。 【画像】専門家「今夏も猛暑の可能性高い」初夏の陽気&春の雪…原因は偏西風“大蛇行” ■東京は5月中旬並み 初夏の陽気 5月中旬並みの気温となった29日の東京。日差しもあり、場所によってはまるで夏のようです。 所村武蔵アナウンサー 「香りにつられて行列ができています。ただ、暑いのは鉄板だけではありません。日差しも強く、集まった人々の熱気であふれています。お台場で行われている肉フェス。多くの人がお肉を求めて会場を訪れています」2人組 (Q.なぜフードをかぶっている) 「思った以上に暑かったので日焼けしたくない。日焼け止め塗り忘れちゃって」 (Q.体感としては何月くらい) 「7月くらい」 「夏まではいかないけど、それくらいに感じます」焼肉ホルモン新井屋 「もうサウナみたいな感じ。芯から熱くなる感じ」アナウンス 「本日は気温も高く、熱中症になりやすい気候になっております。こまめな水分補給や日陰で休むなどしながら、イベントをお楽しみください」 熱中症に備えて、会場には看護師が常駐するなど、対策をしながらの開催です。 快晴で迎えたゴールデンウィークの祝日。各地の観光地は多くの人でにぎわいました。博多では、初夏を告げるビールのイベントが開催。一番暑かったのは沖縄県です。県内15地点で25度以上となる夏日を観測しました。 ■北海道は季節逆戻り「もう4月末」 一方で、北海道では季節が逆戻り。帯広市では28日、桜の開花が発表されましたが…。 帯広市の女性 「雪とサクラも珍しいので。久々に地元に帰ってきて、タイヤ交換もしていないのでよかった」 そうは言っても4月ももう終わりです。 北見市の男性 (Q.ゴールデンウィークの雪は珍しい) 「ここ何年かはあんまりなかったと思う」 季節外れの雪は、春を待ちわびていた観光地にとって、まさかの事態です。北見市にある遊園地『きたみファミリーランド』は深い雪のため、冬の間は休業。ようやくお客さんに楽しんでもらえるはずでしたが…。 来園者 「周りいなかった」 (Q.貸し切り) 「2人だけ」 雪でスリップしないように半分近くのアトラクションが運航中止となりました。 きたみファミリーランド 湯浅徹園長 「本来ならば出る予定だった券ですが、今日はこのような状態に」 これまでの実績からチケットを4000枚用意したものの、客は30人ほどしか来なかったといいます。 きたみファミリーランド 湯浅徹園長 「(子どもは)冬の間に外で遊べなかった。この時期にオープンして『みんな外で遊びますよ。遊びたい』とたくさんの子どもが今日来てくれると思っていたけれど、ゴールデンウィーク期間で1年の半分近くの収入があったりするので、ここでつまずくとだいぶ痛い」■「今夏も猛暑の可能性高い」 全国各地で快晴が広がるなか、なぜ北海道では“春の雪”が降ったのでしょうか。 三重大学大学院 立花義裕教授 「地球温暖化に伴って偏西風が激しく蛇行して、北海道付近には南に降りてきている。北海道は北から来る偏西風の寒気の動きに覆われたので寒いということで雪が降った」 この“偏西風の大蛇行”によって、今年の夏も猛暑になる可能性が高いといいます。 三重大学大学院 立花義裕教授 「今年も去年、おととしと同じように偏西風が激しく日本付近の北に蛇行するので猛暑になる。蛇行のパターンは夏になってくると逆になる。今は北海道の南に蛇行しているが、夏になると北に蛇行する。そうすると北海道も含め日本全体が暖かい領域にすっぽりとはまる。蛇行の南に位置しているから猛暑になる可能性が高い」